処方せんの指示に従って調剤する際に、錠剤を半分に割る作業が必要なことが多々あります。
これ、簡単に見えて、慣れないと、なかなかうまく行きません。だって自分で飲む分を割るんじゃなく、誰か患者さまが、必要とするクスリを作るのですから。
あるとき、新卒 A 子さんがこれをやりました。
錠剤は半分すなわち1:1には割れず、「 大幅に欠ける 」「 砕ける 」状態になってしまいました。
これではこの錠剤は使えません。使えないと困るからわたしは指摘しました。
すると、返ってきた答えは「 すみません 」ではなく、『 普通にやりました 』でした。
その瞬間に、私が思ったのは、
『 こいつ、すごいやつだ。あほだ。 』
誰にとって普通なのか、誰にとって常識なのか。まるっきり当事者意識がない。
いわれたことを普通にやったのに、なぜ割れたことを叱られるのか ?? といったところだったのかもしれません。
自分でやったことを、なぜ指摘されるのかもまるっきり自分で考えていない。
おそらく、もう少しのやり取りがあれば、『 じゃあ、どうすればいいんですか 』と言っていたかもしれないけど、それではまるっきり逆ギレである。
さすがにそこまでやられては私もホンギレしてしまうので、その議論が出ないうちに矛先を収めたうえで、翌日 『 薬局じゃなく、ほかの仕事を探すように 』 丁寧に説明し、お引取り頂くことにした。
調剤薬局は向いてないよ。と伝えたつもりだったが、通じたかどうか…。
私の立場から言って、仕事を自由にやらせることは決して悪いことではないと思います。
そこには、当事者が、自分で考えなければいけないというプロセスがあるからです。
自分で考え、やってみて違和感を感じてもらえるなら尚よしですし、答えがあると言う前提で仕事をするのはいけない と思いますから、なおさらです。
それにしても、いろいろな人がいる という言葉で片付けていいものかどうか。ため息が出た事件でした。
2006.09.14
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