数年前、接待がまだあったころのはなしです。
初めてわたくしと食事するMRさんは、一生懸命自分の事ばかりお話ししてた。
ふんふんふんふん、と相づちをうってわたしも一生懸命はなしを聞いてた。
ただ、今となっては、何を話していたか、ただの一文も思い出せない。
帰って、疲労感だけが残ったのをこうして覚えているだけであるが、あれはなんだったんだろう。
ある意味、幸せなMRさんであった。
今で言うなら、空気を読めないMRさんだった、といったところだろうか。
あの人になら、話しやすい、話せる、というべきヒトが身の回りにも何人かいる。
共通するのは、過激な事を言わず、懐深く、話題をそらせず、中庸を心掛けていて、我田引水がなく、かつサービス精神の旺盛なひとである。ヒトの話をとっていかない。
たぶん、素直なのだとおもう。
たぶん、相手を想いやる気持ちがあるのだとおもう。
わたしが思うに、そんなひとは、人生をひとの何倍も楽しんでいるのではなかろうか。
おれがおれが、と、自分の話をひけらかすのではなく、一緒にいて、あいてをおもいやり、相手を楽しくさせるすべをもっている。
そんな人は、きっといい話が舞い込んでくるでしょうね。
ゴールデンルールはそんな人のために、あって当然でしょうね。