Q: 融資の申し込みは、どこの金融機関に行けばいいでしょう。
A: ふざけているわけではないですが、運を天に任せて、まずは、どの銀行でも 飛び込んで見てください。
その際に、覚えておかなければならない、基本中の基本の事は、金融機関は、お金のない人には貸さない? ということです。
なぜでしょう。
例えば、
あなたにお金を貸して欲しいという人は、お金を持っているとおもいますか?
また、その時に、
そのひとに対して、あなたは、「いいよいいよ」、とお金を貸してあげられますか?
だからです。
ですから、飛び込みでも何でも、とりあえず5ヶ所は無条件でまわったらいいと思います。
手ごたえがわかりますし、だめでもともとじゃないですか。
外せないのは、
- 国民金融公庫(日本政策金融公庫)
- 信用金庫
- そして地域の銀行支店数ヶ所、です。
- 親戚も大事です。
また、
返す計画を作れるだけの見通しも必要です。
でも、友人だけは避けましょう。
友人・知人は、金融機関ではありません。
相手に話しを聞いてもらうという、謙虚な姿勢が大事です。
そして、『 絶対に返せます 』、は、まず、禁句です。
『 あなたにはまだ早い。資金が出来てから、あせらずはじめなさい 』 と諭されて、余計にあせる事になるでしょう。
振り返って、私の場合は、「 まったく、こんな話しがあっていいのか ? 」という、運が良い話でした。
函館にいた平成15年4月初めに、札幌での出店の話しを聞きました。
金融機関のあては全くありません。
当時住んでいた家でインターネット検索をして 地域と銀行 を入力しました。
そこで出てきた銀行の一番手に電話して、これから札幌に行くので話しだけでも聞いて欲しいと切々と訴えました。
数日後、アポイントをとって札幌に出向き、緊張して銀行に行くと電話に出てくれた方が、
ご自分の前の席の若い方を紹介してくれました。
この人が担当しますので、詳しい話を教えてくださいといわれました。
いろいろ話を聞いてくれて、制度融資の話を説明され、道庁にでかけました。
その後、銀行の融資担当のNさんは、何度も何度も書類の書き換えを手伝ってくれました。
私は今回の独立の話について、仲介者から聞いていた内容・見通しのすべてがホントウだと信じて、計画の書類を練りに練って作りました。
でも、それでも担当者は 「 うん 」 といってくれません。
この計画の半分以下の売上でも返済していけるという計画書を書いてみてはどうだろうと、やんわりと、やんわりと諭されました。
そこまでする必要があるだろうか。
確信に満ちた計画なのに。。。カエセルノニ。
こんなやり取りが続き、実際の開業から3週間以上過ぎたころ、やっとの思いで、1000万円の融資を受けることができました。
見切り発車だったので相当な不安を抱えていました。
すべての契約書にはんこを押し終えたときに、担当のNさんがそっと教えてくれたことがあります。
「 実は、私の親が、院外処方箋を出すという病院の関係者です。この計画がその通りなのか、なにかと用事を作って親と話し、なんどかそれとなく探りを入れて間接的に聞きだそうとしたのだけど、どうも計画通りには行きそうにない。 それで慎重のうえにも慎重にならざるを得なかったんですよ。 」
と。
さて、平成15年5月、ふたを開けてみたら、先の厳しさに満ちた計画書の通りです。
開業から、数ヵ月後、もう引退だからといってNさんのお父さんがお店をたずねてきてくれました。
Nさんに負けないくらい穏やかで優しい雰囲気を醸しだす方でした。
また、今後のわたしのとるべき指針を示してくれました。
融資の申し込みは、飛び込みでも、そんな出会いがある可能性があります。
やってみなはれ、ですね。
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この場を借りて
平成20年2月19日にご逝去されたNさんのお父様のご冥福をお祈りします。
2008.02.28
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