合唱する必要はないのである

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『 おだいじに 』とは、大事な言葉です。
ときに相手を思いやり、ときに気遣い共感し。
ごくふつうの薬局では、患者さまが帰られる時にこの言葉をかけて送り出します。

あるときこんな事がありました。

「 お大事にどうぞ 」と、誰かが患者さまに声をかける。
すると、他のスタッフが、「 お大事に? 」という。
さらに、残りの数人が
「 お大事に? 」と、唱和したとき、その患者さんは、そのままトイレへ入られました。

これは、おかしい。へんじゃないですか?

何が変ですか?

 

「 みんな、送り出すべき患者さまの行方を見ていない 」。
それなのに、「 お大事に 」ということが、です。

 

「 お大事に 」というのは、言わなければいけない決まりでも何でもありません。
新しくスタッフが入ってきたときに、私は
「 下を向きながら、とか、作業をしながらの、『 お大事に? 』 というのはダメです 」という話をするようにしています。
でも、実際には、先のようなことが起こり得るわけですから、もっと声を大にしていわなければいけません。

『 合唱する必要はないのである 』

必ず本人を確認して、患者さまご本人に向かって「 お大事に 」ということはとても大事だと思いますよ。
たまたま、この患者さまがトイレに入ってくれたおかげでとても大事なことを書くきっかけができました。

2006.08.14

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