大きな病院と、だいまる薬局のような小さな調剤薬局を比べて、際立って違うのは、医事会計が独立しているかどうか、という事だと思います。
その規模にもよるのですけど、大きな病院の場合は医事課に受付機能と会計機能を専任する職員を配置し、さらに調剤専門の機能を持たせた薬局 ( 調剤所 ) を持ちます。
この人員は相互に補完することはなく、それぞれ独立した部署として存在するのが普通です。
私たちの調剤薬局の場合は、受付、調剤、投薬、会計など複数の業務をスタッフみんながこなし、カウンターの内側でぶつかり合うように仕事をしています。
事務スタッフは、あれもやり、これもやり、かなり大変な仕事だと思います。
もちろん薬剤師も調剤全般をやって投薬し、レジを打ってまた調剤監査に戻るなど、気ぜわしいことこの上ない様子をみせます。
調剤薬局なんてしょせん処方箋と薬の交換所だと思われがちで、事務員1-2名、薬剤師1-2名でまずまずの仕事ができるだろうと考えられるのは、とても心外でありつらいところです。
だいまる薬局の人員は常時、事務3-4名・薬剤師3-4名です。
『 ずいぶんたくさん人がいるんだね? 』 と言われる事があり、ほめられているようであり、意外だなーと思われているようでもあり、複雑な気持ちになります。
「 どうしてそんなに必要なの ? 」 というのが本音の質問ではないでしょうか。
さて、最近(2007年)、だいまる薬局では日次集計の際、レジのお金が、数十円から数百円円くらいの範囲で合わない という事が立て続けに起きました。
これに対して、事務スタッフに負担がかからないかを判断した上で、レジうちを事務スタッフに変更。
その後は、ほぼレジのうち間違いや、おつりの受け渡しの間違いをなくすことができたようであり、日次集計の金額が当然のように合うようになってきました。
私は調剤薬局の経験がこれまで14年ほどになり、手提げ金庫時代も含めてレジで現金をやり取りすることに抵抗がなくなっておりますが、間違えないという自信はありません。
たかがレジの事がきっかけですが、何か考えなければいけないという漠然とした予感めいたものはありました。
- 違算は薬剤師のミス ?
- スタッフの間の風通しはいいのだろうか ?
- みんな声をかけあって仕事してるだろうか ?
- 仕事が形式めいた作業に成り下がってないだろうか ?
- 失敗やミスが糧になっているだろうか ?
などなど。。。
少し話を変えますが、私は、薬局の事務スタッフと薬剤師の違いは、
薬剤師は、調剤監査をする職能をもつ事と、薬歴をとりその管理をすることにあり、そのほかの部分の仕事は、免許があるなしに関わらず薬局内の仕事としてやるべきことを分担していると考えています。
( だいまる薬局の場合は、レセプト業務と処方箋の入力は事務スタッフに100%対応してもらっています )
つまり、お金に関することでも、薬が足りないという問い合わせが来たとしても、患者さまのためにこの薬局が存在している以上、同じ次元で対応しなければいけないと思っています。
同じ次元とは、いつも患者さまのためにどうすればよいかという視点にたちながら、待たせない方法で、満足のいく方法で、確実な方法で、検討して決断しなければいけないということであり、これは薬局の屋台骨です。
この視点には薬剤師と事務スタッフの区別があってはいけないし垣根があってもいけない。
ただひたすら患者さまのため、というベクトルを合わせた行動や言動が、必要なことだと思いますし、ベクトルの先に患者さまがいるという事を絶対忘れてはいけないということです。
日々の私の言動や、行動が裏付けるものでなければそれこそ絵に描いた餅ですので自戒しなければいけないところです。
2007.03.26
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