共感した文章

none_img_column? 2004.03.26

株式会社PHARMAVISION(ファーマビジョン)社は、毎月、Pharmavisionという雑誌を薬局に届けてくれます。薬局にお勤めの人はよく知っている雑誌だと思います。
【2009年注:2009年6月現在休刊中】

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私もこの雑誌を結構楽しみにしているひとりなのですが、その中にとても共感できる文章が載っていました。
私のこだわりと、とても細かい点で一致するものがありうれしくなって編集部にメールしてしまいました。

ぜひ紹介させてほしい。
出典もはっきり出しますから。

先ほど、この文章を書かれた高見様から晴れて全文引用紹介の許可をいただきましたので以下、ご紹介します。

 

『もしも、自分が患者だったならば…』

「かかりつけ薬局」を目指そう、「かかりつけ薬剤師」を目指そう。
これが今の流れだし、もちろんベクトルは間違っていようもない。
だが、あなた、ないしあなたの薬局を`かかりつけ`と認定するのは、他ならぬ患者さんや一般消費者である。
そこで、もしも、自分が患者だったならばと考えてみた。

店構えは小さくても古くても構わない。
外周りは手入れが行き届き、店内はよく整頓されていて、窓の桟やカウンターやコンピュータ、待合室におかれた椅子もTVも血圧測定器も、もちろん商品にホコリがたかっていないのがよい。
硝子越しに見える調剤室内は整理整頓がよく行き届き、明るく清潔そうなのがよい。薬品棚に入れた薬が乱雑なのはいただけない。
処方箋を持って薬局に入った時、自分がどこに行けばよいかすぐわかるのがよい。
できれば、薬局に入ったときに薬局のスタッフの誰でもよいから笑顔を向けてくれるのがよい。
客が来ても気がつかなかったり、スタッフ同士でお喋りに興じている薬局は願い下げだ。
BGMはあってもなくてもよいが、待合室に独りのときは低く流れていると安心かもしれない。
そして、待合室にあるトイレは是非ともいつもキレイであって欲しい。
スタッフが着ている制服は小ざっぱりしているのがよい。
応対する薬剤師は、患者が子供であろうと、耳の遠いお年寄りであろうと、例え慣れ親しんだ患者さんであろうと、タメ口をきいてもらいたくない。
調剤する姿はテキパキと無駄な動きがなく小気味よいのがよい。
調剤するのにトラブルが生じた時は、声かけをする気配りが欲しいものだ。
薬の説明をするときは、私の目を見、私の理解度をはかりながら、話してくれると嬉しいかもしれない。立て板に水の喋りはきっと耳を素通りするに違いないから。
だけど、たとえ私の目を見ていても、薬情の文言をそのまま読み上げるのは興醒めだ。
私がうまく説明できない時は、あなたは目を泳がせず、根気よく待ってくれれば落ち着いて話せるような気がする。
余り愛想がよすぎると、実がないと感じるのはアマのじゃくだろうか。
私が質問をした時に、あなたが適当にごまかそうとすると、私にはそれがあなたの素振りでわかってしまうということを覚えておいてほしい。
私の情報が詰まっているという薬歴簿というものをそこらに置いてあると、ちょっとイヤかもしれない。
後で調べておくといったことはきちんと報告してもらいたい。
例え私が重大な病気であったても、哀れまないでほしい。
あなたに率直な一面を見つけると、私はとても嬉しいと思うに違いない。

さて、あなたが患者だったら、どんな薬剤師、薬局がよいのだろうか?

【文責 本誌編集部 高見明子】
Pharmavision Vol.8 No.3 March 2004 P29

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