おくすりカレンダー

だいまるコラム

この話題を書いている一日前(きのう)と今日、ある新患さん(Aさん)から電話を受けました。

昨日は、他の薬剤師も電話を受けたので、都合4回の電話があったのです。

※? この患者さまに薬をお渡しした薬剤師は、薬剤服用歴に出来事を 「しっかり、きっちり」 時系列に書いてくれていて、その後、夜九時過ぎに電話を受けた私は大変助かりました。

16:10? あわてた様子でほにゃらららら

16:20 再度〇〇という薬が入っていないということでほにゃらららら

そして、

21:05 に、16:10と同じ内容でふにゃららららら

あ! もしかしてご理解いただけていないのだな、とおもってふた言、三言やり取りしましたが、らちが明かない。

そうおもって、ふたたび薬剤服用歴に目をやると、患者さまがご自分で混乱してしまう資料をみているらしきことが書いてあり、そのことをお伝えしたうえで夕方の二回の電話のお話の事をちょっと切り出すと、

私は、今、初めて電話しました。夕方???そんな電話していません。

とのこと。

はい。わかりました。イチからやります。

まあ、この先は、限りなく丁寧にお話しして、事なきを得た、ハズでした。

21時過ぎに明日飲む薬の話をしたのだから、今日はもう営業終わりましたという旨をお話ししたところ、さんは朗らかに笑って電話を切りました。

翌朝の朝礼でこのできごとを話して、

  • Aさんへの薬の作り方、
  • 分包紙に日付を入れることや、
  • 薬袋をあさ、ひる、ゆう、に分けるようにお話していこうという提案をしたうえで、
  • またすぐ電話がかかってくる可能性があるから、わたくしが対応しましょうという事にしておきました。

それから数時間後、念を押すようなAさんから電話が来ました。

内容は、念押しを繰り返すのみでしたので割愛します。

患者さまの状態は、環境に慣れていただくまで不安定になるんですね。改善・改革なんていいながらこっちの都合で薬をお渡しする環境を変えないほうがいいかもしれません。気をつけます。

こんな患者さまには、ぜひこんなカレンダーをお勧めしたい。

簡易版なので100円です。

なんか今晩も電話が来そうな気がします。

24時間対応の携帯電話当番は、今日もわたくしです。

 

 

(2006年) 先週の出来事

none_img_column?? 2006.11.20

最近【 注:2006年 】、だいまる薬局で見聞きした話です。

S50年生まれの障害がある女性の患者さまが定期的に通っています。
この患者さまはひとりでは出歩けないと思われ、毎回どこかの施設のヘルパーと思しき男性が連れてきます。

待合室で薬を待つ間、ヘルパーさんは 「 だいまる文庫 」 の雑誌を読んでいました。患者さまが、そのヘルパーに何か話しかけたところ、 『 何でおまえはそんな中国人みたいな話し方しかできないんだ ! 』 と一喝。

びっくりしました。

いや、ちょっとまって、話し方は本人の意思や希望で何とかならないのではないか ? だから 「 マル障 」 の保険なんだから … 。
その直後薬を渡しましたが、彼は、薬局を出るまで不機嫌そのものの態度でした。日常的な言葉の暴力が垣間見られます。これでいいのだろうか。
もう一例です。
南区から通うOさんは、薬を渡し終えたころ、タクシーを呼んで下さいということになりました。
いつも電話して来てもらうタクシーは 『 黄色 』 ですが、Oさんは、「 黄色じゃないやつ頼みます 」 とおっしゃいました。
よくよく聞くと、前に その 『 黄色 』 で帰った時運転手にバカにされた・からかわれた、というのです。

悪気があったかなかったかそれはわかりませんが、数あるタクシーの運転手さんの中には意図的な人もいるかもしれません。
確かめようが無いですけど、悲しい出来事です。

ヘルパーさんも、タクシー運転手さんも、いずれの例も、どこの誰かは調べられます。
ただ、それは氷山の一角を素手で掘るようなもので無意味なことですね。

自分の仕事に意義を感じ、誇りをもって患者さまに接してほしいものです。弱者をいたぶるのはTV新聞をにぎわす 『 いじめ 』 と何ら変わらないではないですか。
いつまでも強い立場でいられるわけは無いんです。立場が変わったときに初めて気づくのでは情けない。

こんな身近に虐待あり。 許せません !

 

2006.11.20

(記事の引越し中です)

誕生日おめでとう

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薬局をやっていて思うことのひとつに
「薬局に行くことを楽しみにしている人はあまりいない」ということがあります。

いつもスタッフに話している事のひとつですが、『患者さまが薬を受けとって帰られるまでの時間に何かひとつ「ココへ来て良かった」と思わせるつもりで接して下さい。』というものがあります。

会話があまり馬鹿丁寧でもいけないし、かといって気さく過ぎるのもいけない。中庸が大事なんでしょうね。

ラッキーと思わせる程度のさらりとしたものは何かないかと模索していましたが、ちょっとしたものをプレゼントされる機会があってもいいのではないか?という事になりまして、写真のような張り紙を出してみました。

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早速、第一号の方にほんとに気持ちばかりの粗品を差し上げることができましたが、そこにはスタッフ手作りのメモとリボンが付いていました。

ああ、自分ももらいたいなぁ。

それを見ていたほかの患者さまもそう思っていただけたかどうか(笑)

息抜きとか、ほのぼのとしたものは大事だと思います。

共感した文章

none_img_column? 2004.03.26

株式会社PHARMAVISION(ファーマビジョン)社は、毎月、Pharmavisionという雑誌を薬局に届けてくれます。薬局にお勤めの人はよく知っている雑誌だと思います。
【2009年注:2009年6月現在休刊中】

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私もこの雑誌を結構楽しみにしているひとりなのですが、その中にとても共感できる文章が載っていました。
私のこだわりと、とても細かい点で一致するものがありうれしくなって編集部にメールしてしまいました。

ぜひ紹介させてほしい。
出典もはっきり出しますから。

先ほど、この文章を書かれた高見様から晴れて全文引用紹介の許可をいただきましたので以下、ご紹介します。

 

『もしも、自分が患者だったならば…』

「かかりつけ薬局」を目指そう、「かかりつけ薬剤師」を目指そう。
これが今の流れだし、もちろんベクトルは間違っていようもない。
だが、あなた、ないしあなたの薬局を`かかりつけ`と認定するのは、他ならぬ患者さんや一般消費者である。
そこで、もしも、自分が患者だったならばと考えてみた。

店構えは小さくても古くても構わない。
外周りは手入れが行き届き、店内はよく整頓されていて、窓の桟やカウンターやコンピュータ、待合室におかれた椅子もTVも血圧測定器も、もちろん商品にホコリがたかっていないのがよい。
硝子越しに見える調剤室内は整理整頓がよく行き届き、明るく清潔そうなのがよい。薬品棚に入れた薬が乱雑なのはいただけない。
処方箋を持って薬局に入った時、自分がどこに行けばよいかすぐわかるのがよい。
できれば、薬局に入ったときに薬局のスタッフの誰でもよいから笑顔を向けてくれるのがよい。
客が来ても気がつかなかったり、スタッフ同士でお喋りに興じている薬局は願い下げだ。
BGMはあってもなくてもよいが、待合室に独りのときは低く流れていると安心かもしれない。
そして、待合室にあるトイレは是非ともいつもキレイであって欲しい。
スタッフが着ている制服は小ざっぱりしているのがよい。
応対する薬剤師は、患者が子供であろうと、耳の遠いお年寄りであろうと、例え慣れ親しんだ患者さんであろうと、タメ口をきいてもらいたくない。
調剤する姿はテキパキと無駄な動きがなく小気味よいのがよい。
調剤するのにトラブルが生じた時は、声かけをする気配りが欲しいものだ。
薬の説明をするときは、私の目を見、私の理解度をはかりながら、話してくれると嬉しいかもしれない。立て板に水の喋りはきっと耳を素通りするに違いないから。
だけど、たとえ私の目を見ていても、薬情の文言をそのまま読み上げるのは興醒めだ。
私がうまく説明できない時は、あなたは目を泳がせず、根気よく待ってくれれば落ち着いて話せるような気がする。
余り愛想がよすぎると、実がないと感じるのはアマのじゃくだろうか。
私が質問をした時に、あなたが適当にごまかそうとすると、私にはそれがあなたの素振りでわかってしまうということを覚えておいてほしい。
私の情報が詰まっているという薬歴簿というものをそこらに置いてあると、ちょっとイヤかもしれない。
後で調べておくといったことはきちんと報告してもらいたい。
例え私が重大な病気であったても、哀れまないでほしい。
あなたに率直な一面を見つけると、私はとても嬉しいと思うに違いない。

さて、あなたが患者だったら、どんな薬剤師、薬局がよいのだろうか?

【文責 本誌編集部 高見明子】
Pharmavision Vol.8 No.3 March 2004 P29

薬局の業務を支えてくれる人たち

none_img_column  2004.01.16

私たちは患者さまに医療のサービスを提供するのが仕事です。
そのためにはさまざまな人たちの協力があり、業務を支えてくれるひとの存在があることを忘れてはいけないと思います。

たとえばそれはレセプト用のコンピュータの会社の人であったり、調剤機器の会社の人であったり、また医薬品を卸してくれる業者さんであったり、コピー機器のメンテナンスの人であったり消耗品の販売の人であったりするわけです。

今まで多くの薬局や会社で、それらの人たちに接するいろいろな役職の人たちの態度を見てきました。これはとても勉強になりました。

まず何か相手にミスがあったときに怒鳴ったり威圧的に話をする、いつまでもくどい話をする、融通が利かないなど、相手に対して自分たちの力が大きいと思わせる態度で接することは回りまわって私たちに不利なツケが廻ってくるということを覚えておかなくてはいけません。 【2009年5月注: はい。わかりました。】

とても狭い業界ですので情報は駆け巡ります。それを知らない人が多すぎるようなのは無頓着なのか、はたまた単なる無知なのでしょうか。

それら、業務を支えてくれる人たちがいなくては薬局は成り立たないのですから、もっと感謝や思いやりやねぎらいの気持ちを持たなくてはいけないわけです。

このことを当薬局で働くすべての人が共有しなくてはいけない。たとえ、相手のミスでも、次の機会には自分たちのミスで 『 お願い 』 しなくてはいけないこともあるわけですから、丁寧な寛容な態度が求められるのです。