調剤室の床の四隅に漂う綿ごみ。
開封した薬の包装箱の上に積みあがったほこり。
水を流しても、排水口から流れなくて水かさの増す台所。
においのする生ごみ三角コーナー。
休憩室には食い散らかしたお菓子。
はき古したストッキングがだらしなく入った透明なゴミ袋。
水垢が赤く、ほんとに赤く、こびりついた洗面台。
休憩室の食卓テーブル下の雑誌をとれば、その上に積もったほこり。
タバコは時間に関係なく吸い放題で部屋の隅のクスリの丸い空き缶へどんどん貯める。トイレは、ああ、思い出すのもおぞましい…。
これは、 私がしばらくお世話になって? 最終的に 『 クビです 』といわれた、
道南のとある田舎の薬局の風景です。
給料は、サラリーマン薬剤師としては上限をもらっていたと思います。
車で45分かかってもそんなにつらくはありませんでした。
『 いろいろ気づくことがあるだろうけど、そこそこにやり方があるからまずはそのやり方を踏襲してください 』と、赴任前にその会社の偉い方から言われたのを思い出します。
薬局運営のやり方はいろいろあろうと思いますが、最終的に私が辞めた薬局の数々は、
掃除が行き届いていなかったというのは特別印象深いことです。
そこに勤めるスタッフの品位を決めるのは掃除する姿勢にあるといっても過言ではなかろう、
私はそう思います。
その姿勢はだいまる薬局では私が率先して作っていかなければいけないと思います。
会社を良くして社会のニーズに応えんという姿勢は、
その人が几帳面であるからとか、しっかりしてるからとか、
きっちりしてるからとかいう事ではなく、「 掃除をする姿勢 」にこそあると考えますが、
いかがでしょう。
掃除を外注していると働く人は楽をしてしまいます。
楽をすることは、考えないことに通じます。
人間、考えなくなったら進歩はありません。
さて、今日もせっせと床のごみを拾う事にします。
掃除をきっちりやる人は、それだけ物事に気づきます。
これは間違いの無い事実です。