「安心」「安全」「清潔」な調剤 は、弊社のモットーです。
薬を「安心」「安全」「清潔」に作って、患者さまに渡すときに「患者さまの取り違えという深い落とし穴」に落ちていては薬剤師免許証の予備を何枚持っていても足りないくらいです。
過去に函館の精神科主体の病院の門前薬局で、「皮膚科にかかっている患者さまに精神科の薬を間違って渡して」しまい謝罪や補償の窓口となった経験があります。患者さまも入院して大変でしたでしょう。社内(当該薬局)においても、犯人捜しはしませんといいつつ、誰の心の中にも、やったのはあいつに違いない!というおもいを残してしまいました。苦い経験です。
さて、間違えにくい環境をつくるのは社長の使命ですから、このたびは、処方箋の引換券を発券し、その番号と患者さまの名前をお呼びする機械を導入しました。実は、前から欲しかった。機械に使われない程度の機械化はしたかったので…。
先の事例では、もちろん引換券の発券システムは導入されていました。一日7-800枚も処方箋を受け付けるわけですから、ある意味当然です。
ただ、その運用に問題があった。
それを私は学習しなくては意味がありません。たかが(失礼)こんな機械で〇十万円もするんです。
弊薬局の規模はその1/10ですが、やらなければいけない事は一緒です。
待合室で患者さまをお呼びするときに気をつけることの一番は、あとから入ってきた患者さんが自分を抜かして行ったという思いを極力させない事。
- 先に処方箋を出して買い物に行った患者さま
- 昨日預けた処方箋のくすりを取りにいらした患者さま
- デイケアの施設に行っていた患者さま
いろんなケースがあります。
待合室に同じ苗字の患者さまが3人重なることもよくあります。数人しか待っていないのに、家族ではなく、アカの他人なのに、です(笑)。
いずれにしても、気配りが大事なので、こればっかりは機械任せにはできません。大事なのは、センス かもしれませんね。
『 冷蔵庫に冷凍庫の機能を期待してはいけない 』 とは、良くいくスナックのママさんのお言葉。
「安心」「安全」「清潔」なんて、センスがない人が何人いても達成できないわけですからせっせとセンスを磨きたいものです。
最後に。
先の函館の事例では、しっかりと名前を呼んだらしいけど 患者さまが聞き間違え、「はい」と言ったらしい。
- その薬を開封し
- お名前を示し
- 先生の名前を反復し
- 日数を確かめ
- 前回の処方内容と異なる点を患者さまと確認し
- 袋の数を大げさに数え
- 何度も患者さまの顔の様子を見て
- 最後の最後に、念入りに処方箋の刻印番号と、引換券の番号を確認し
そして、〇〇さま、お大事にして下さい と、申し添えたなら、精神科の薬が皮膚科の患者さまの手に渡ることがあったでしょうか。
患者さまが聞き間違えたのは、相手のせいではない。これは、薬剤師として健康被害を最小限にとどめるためのセンスの問題ではないかと思うのです。