がつんと行こう

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最近のメーカー、ディーラーのセールスマンについて。

何か売りたいものが売れると、とたんにご無沙汰になる人が多いと思う今日この頃です。最近、買い物をしましたが、本当にうまくいっているか心配じゃないんですか?

  • 車のセールス、極端にそんな感じ。
  • 薬のMR=セールスなんて月末数字に困ったときだけ。
  • 家のセールスは、あまり関係ないかな。
  • レセコンのセールスはどうかな。
  • 調剤機器のセールスはどうだろう。

どうも、私が口うるさいせいでしょうかね(苦笑)。
そんなことで来なくなるセールスなら初めからいらないけど、そのあたりをうまくごまかすスキルにだけ長けたセールスって、不愉快ですね。

25年ほども前のこと。
アメリカの文房具店で、当時としては珍しい「絵と文字がかかれた付箋」を見つけました。そこに書いてあった一文は、当時なんちゃってセールスだった私のセールス姿勢にがつんと一発見舞ってくれました。

Good sales begins when the Customer said NO.

たしか、こんな感じだったと思います。

また当時、「できます、やります、ごめんなさいセールス」という手法も、売らんかなセールスの悪い例としてよく語られました。
わが社のこの機器は、アレもできます、コレにも対応しています、なんでもできます、やります。 しかし売れたとたんに、「ごめんなさい、実は…」というやつです。

Sales(売り上げ)の数字が上がって、信頼を失う。

売って終わるようなセールス(マン)はご免です。

私が近視矯正の手術をした病院は1?2ヶ月に一回 上手に個別名でメールを送ってきます。
いわく、手術をしたときからお付き合いが始まります。 優秀な車のセールスマンみたいです。

安い仕切り価格を提示できない薬を売っている、いわゆる卸のセールスさんも、毎回値段のことを言われたらイヤだろうけど、人間対人間の付き合いで商売が成り立つ以上、何ぼ文句を言っても真に正しくしつこいセールスさんから買う事になりますよ。

  • セールス接待の条件が厳しくなって幾久しいことですが、セールスは、接待費がなくなったら、ユーザーを接待するのをやめるんですか?
  • 優秀なセールスマンは、自分のお金を使うのではないのですか?
  • 私はよくメーカーさんや、ディーラーさんを会社のお金で接待します。これは、値引きを期待してだと思いますか?
  • 買うまでのしつこさと、買ってからのあっさりした態度をみーんな見てますよ。
    >To All Salesさん

売ってから、「このヒトはなぜウチの会社から買ったのか?」 を考えないセールスマン、あるいはそんな気質の会社は自然に淘汰されていくでしょう。

翻って、私たち薬局も明らかにそうですから、相当気をつけなければいけません。門前薬局なんだから患者さんが来るのが当たり前と考えた瞬間、淘汰される権利を得たことになります。
『おめでとうございます、だいまる薬局さま、ついに淘汰される特別の権利を得られました?』
実際、分業先進地の長野県上田市では、門前薬局が簡単につぶれる風土・カルチャーだそうです。

さて、私がなんちゃってセールスマンの時代、よく言われた言葉です。

  • 売れたのと、売ったのは違う
  • 製品が悪いんだから、セールスの力で売れ
  • 売ってから、フォローしろ

がつんと行きましょう! 野村元監督も言っているそうですね、「敏感であれ」と。 「気づきのある奴は違う」と。

診療報酬改定や消費税率改定とだいまる薬局

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今年2010年は、二年に一回のいやな行事である診療報酬の改定(+薬価の改定)が行われました。

薬の仕入れに関しては、この後、卸(問屋)さん各社は足並みが揃うまで積極的に行動は起こさず、もしかして今年一杯かかるかのような牛歩戦術(古い)で価格交渉が始まるのです。

そもそも、薬価は公定価格で、その価格に基づいて保険請求をします。
その仕入れ価格はある程度の幅で自由競争が行われていますが、さすがにお役所はしっかりしています。問屋が価格を下げられるなら、メーカーにもその余力があるのだから、という事で販売価格の調査が行われ、標記、二年後に、また、薬価改定と相成ります。実質公定価格の引き下げですから、期間が二年間という長さであるだけで、それは、いたちごっこのような具合です。

しかしながら、だいたい、品物が「薬」であるというだけであって、メーカーや卸さんがするのは商業です。
値引きや、価格交渉という戦術は当然アリですよ。
買う側(だいまる薬局)は、安く買う事で、社会貢献する事につながるわけです。会社の存在意義であるところの利益を出すことにもつながります。

で、調子に乗って値段安く買い叩いていると、卸さん各社は、今年は、薬価がコレコレ下がったので、もう価格は出せません、などといってくる。

めぐりめぐって考えると、俗に言う 『 薬価差益 』 は出すな、という指導でもあるのかな?と思ってしまうほど筋が通らない話に聞こえるのは私だけでしょうか。いや、筋論だけではなく、実際たいへんなんですよ。

食品には、製造年月日や、賞味期限があるように、薬にも使用期限があります。
使用期限を無視して使っているところを除けば、厳密に管理されているわけです。だいまる薬局もこのルールは厳密に適用しておりますが、食品が期限切迫してくると格安セールができるのに対し、薬は、それはできません。あくまで処方箋の受付次第ですから、もし、最小包装が100錠のものを仕入れて、14錠(一日1回、14日分)しかでなければ、もう、どうしようもないのです。

簡単に考えて、ください。

薬価(公定価格)が、100円のA錠(最小包装100錠)を、問屋さんから、10%引きで買ったとします。
この仕入れは、100円X100錠X0.9X1.05(現在は消費税5%)=9450円
消費税は購入時、外税であるため、実質値引きは、この場合5.5%引きになります。
(いまどき、食品でも洋服でも、5.5%引きなら誰も見向きもしないのに!です)

14錠 使いましたので、保険薬局であるだいまる薬局では、国保や社保の保険から出して下さい、ということでレセプト請求をします。その金額は、14錠X100円=1400円 です。
請求月の二ヵ月後に支払い基金から入金になります。
買ったときは外税である薬は、保険から入ってくる時は内税です。

さらに問屋さんには、その一月後に、9450円支払を済ませますが、在庫は86錠残っています。

このまま、うっかり使用期限を迎えてしまったとしたら、このA錠は、14錠を9450円で買って、1400円回収したことになり、9450-1400=8050円の 。(金利は考え方に入っておりません)

実際には、仕入原価があって、販売価格(技術料と呼ばれる診療報酬体系)があります。その差が利益となるべきところ、なまじ薬価というものが存在するためにうっかり判断を誤ると利益なんか全く吹き飛んでしまう。
私たち薬局経営者からみれば少しでも利益の緩衝(バッファー)になってくれたらという思いで薬価差を見ています。

さて、昨今消費税論議が盛んですが、100万歩譲って10%の消費税率はしょうがない、ということにしましょう。

そこで、先のA錠にもう一度登場していただきます。

薬価(公定価格)が、100円のA錠(最小包装100錠)を、問屋さんから、10%引きで買ったとします。
この仕入れは、100円X100錠X0.9X1.10(将来の消費税10%)=9900円
消費税は購入時、外税であるため、実質値引きは、この場合1.0%引きになります。
(いまどき、さあさあ、寄ってって下さい、買ってってください、本日限り1.0%引き!どうですか旦那さん!、いかがですか奥さん!)

それ、買います???? 購買意欲ががた落ちですって。

商売するときに材料を安く買うことは、そんなに悪い事でしょうか。リスクを少しでも軽減しようとする事はソンナニ悪い事でしょうか。悪いヤツラは今までたーっぷり甘い汁を吸って大きくなってきたのではないかなと思います。4桁万の外車に、クラブで豪遊です。

だいまる薬局では、この2010年6月、大手の調剤チェーンしかできないかもしれない投資を、すこしがんばってやろうとして調剤監査システムを導入しました。

そんな投資の原資はズバリなんでしょう? 

利益を出すということが悪のように思われる風潮がはびこる中、利益をつかって患者さまにできる事があるんだという事を示したいものです。

せいぜい導入した機械に使われる事が無いように、がんばらなくてはいけません ( 笑 ) 。

調剤薬局がつぶれた日【2009年改】

none_img_column? ? 2004.06.15

私さとうが、初めて勤務した調剤薬局は、今はもうありません

30歳のとき、初めて免許証を使うことになり、札幌から1時間半ほどの町に住みました。

社長はとても羽振りの良い人で、週に何回もススキノのクラブで豪遊しているという話でした。

初めてその社長と会ったときも見るからに高級そうな寿司屋さんで食事、その後クラブへ連れて行かれましたが、金満ぶりはそこかしこに現れていました。

私はそのとき、若かったせいもあるとは思いますけど、単純に調剤薬局って儲かるんだな、すごいなと、感じました。

車が好きだといって1000万を越える高級車を乗り、そのほかにさらに二台の外車を乗っていたことを思い出します。

腕にはやはり高級時計。

瀟洒な事務所を構えた時代、 時は、まさにバブルの頃です。

調剤薬局に勤めるのは初めてでしたが先輩の指導の下、

  • やったことのない調剤、
  • やったことのないレセプト請求

など仕事も覚えていきました。

そんな中、卸さんから郵送されてくる請求書を目にするころから「あれれ? これはおかしい」と気づき始めました。

いくら世間ずれしてない頃でも…です。

売上と請求書の残高とが、あまりにも桁ちがいなんです。つまり、問屋さんの支払いを先延ばしにして贅の限りを尽くす。まさにそんな感じでした。

私は1年ほどそこにいましたが、その後1年ほどで卸各社が取引しなくなり、(普通の製造業でいえば、原料を調達できなくて操業停止)、さらに追い討ちをかける様に処方箋発行元が、院外調剤を取りやめ、あえなくつぶれてしまいました

院外調剤の取りやめについては、これまた処方もとの医師への不正があってそれを白日の下にさらす事件があり、もうめちゃくちゃです。あとに残ったのは確か、問屋さんの一億を超える残債とリース物件の残高について保証人への転嫁だったと思います。

調剤薬局は、ガラス張りの経営だといわれますが、払うものを払わない経営で得る生活・贅沢、とはいったいなんだったのでしょう。

二種類の散剤を混ぜていないのに保険請求する混合計量加算、二種類の軟膏を混ぜていないのに保険請求する自家製剤加算、やっていない薬歴管理指導加算、など経営の中身としては実はガラス張りではないところがたくさんあります。保険請求で入ってくるお金がみんな生活費に消えるとしたら、それは確信犯的詐欺ですよね。

  • 企業としての薬局のモラル
  • 人としての薬剤師のモラル
  • 価値観としてそれらを共有できる薬局ができたら

調剤薬局はつぶれないはずなんですけどね…。

20年ちかく前の出来事ですが印象深いものでした。

調剤薬局って儲かる?【2009年改】

none_img_column?? 2006.06.01

札幌市内に限らず、クリニックビルとかモール形式の医院集積型センターが流行りです。
不動産の賃貸なので、保証金とか、坪あたりの家賃設定とか私も目にする機会があります。
家賃は、都心の一等地のそれも、弊薬局のような場所もあまり変わらないですね。
そして、調剤薬局は一階に入ることが多いせいか、設定そのものも高額です。

内科のテナント募集の家賃より調剤薬局の家賃が高いケースが多々あるようで、これもまたびっくりです。

そこには、機会均等、リスクの共有、などという考えはなく、調剤は替わりがたくさんいるし、競争も激しいからという理由で高額家賃が設定されているようです。

調剤薬局って儲かる?

あほな !
儲かるのは医薬品メーカーであって、調剤薬局ではないんですよ。
クスリ九層倍なんて言葉は、田宮二郎さんが白い巨塔に出ていたころの話です。
売上と利益の関係を見たら調剤薬局は「売上」は上がっても粗利益は3割行くかどうか。【2009年注:粗利益の数字は毎年悪化の一途をたどってます】

どうか、不動産屋さんは調剤薬局の現状をもっと勉強して適正な家賃単価を設定してください。

そして調剤薬局経営者の諸氏は、もう 顔に 『 やりたい 』 と書くこと を止めないと、本当に足元を見られていることを知るべきです。

誰でも ( 医師でも、薬剤師でも ) スタートの時期はお金がありません。
お金がないからこそ野心を抱けるし稼ごうと努力する気概も出てくるわけです。
医者はなかなか集まらないから、これくらいの家賃、薬局は儲かるようだからその1.5?1.6倍なんて事をやっていたら、将来大変なことが起こるかも…。

友人医師によれば、ちゃんとした教育をされた人材が出てくるのはやはり「医局」経由だといいます。医局がなくなったなんて新聞で言ってるけど実際は違う。医局が果たしている役割は大きいとのことです。
ビル診(メディカルビル)の空き家が目立ちませんか?

最初はお金がなくても、まじめにやっていれば医院経営が上手であれば、じきにお金も貯まる。
支払ったら自分のものになる形が良いと思うのは賃貸のマンションと持ち家を比較するまでもないでしょう。
そんな理由で出て行かれた空きテナントの話を聞くにつけ、難しいものだな?と思います。メディカルビルの空き家はなかなか埋まらないようです。

私の友人薬剤師は、こういっていました。これからの調剤薬局は、先方から「調剤、頼めないかな?」というような声がかかった物件しかやっちゃダメだと。
自分を棚に上げていうわけではないですが、はいはい、なんでもします。ぜひわが社に調剤をやらせてください。などど言っているようでは過剰投資の付けがすぐに回ってきます。

は?(ちょっとため息)。
でも、春です。今年も薬局の裏にはカモがちゃんときました。

 

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2006.06.01

【2009年注:雪解けとともにできていた裏の小さな池は埋め立てられ、カモが来たのはこの時が最後になりました。時代は変わっていくんですね。】

白衣のクリーニング

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過去に、大きな薬局に勤めていました。

薬剤師だけで15人以上。事務もパートさん、正職員合わせて15人くらい。
売上も、( 経営者一族の ) 笑いが止まらないくらいあったと思いますから、経費の事など心配いらないほど小さなことであったと思います。
しかし、だいまる薬局のような小さな店ではそんなわけには行きませんから、たとえば、

  • 郵便物の中から裏が印刷されていないA4の用紙をせっせと集めて保管したり
  • ヒマなときにはこっそりと、封筒を裏返して糊付けしてみたり

チマチマとした努力を重ねます。
もっとも、経費として節約できる大きな部分は経営者の飲食交際費だったりするわけですがそれは置いといて…。
そんな中でだいまる薬局の白衣のクリーニングは、過去、売上が足りなくて倒れそうになっている頃から会社負担できれいにしています。
( もちろん ! 当時はやせ我慢でした… )

やせ我慢した理由は、自分だったらこれは 『 経費 』 だと思ったから
ただそれだけです。
その後に、勤めた小さな薬局の中で、白衣を着ない社長がいるところ はその面倒を見ない場合が多かったですね。

清潔第一ですからいつもアイロンがきいた白衣をみんなに着てほしいです。
そろそろ、白衣も一新しないといけない時期かも知れません。【注:その後きちんと補充しています】
白衣のクリーニングは、あるレストランが利用していたという紹介で、

【 リハビリー・サービス株式会社 】
電話011-561-3309

という会社にお願いしています。低廉かつ、きっちりしています。

2007.07.19