薬局の開業について 2008. 12. 30改編

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Q:?? 開業計画書はどうやって書いていけばいいのでしょうか。
A: いま、私の手元に、一番初めに融資を申し込んだ「 国民金融公庫 」へ
提出するために書いた開業計画書の写しがあります。

 

  1. 事業内容など
  2. 予定の販売先、予定の仕入先
  3. 必要な資金と調達の方法
  4. 開業後の見通し(月平均)

 

開業計画書は上記のような内容を網羅していくものです。
では、私の開業準備の場合、想像上の調剤薬局開業と、
実際はどう違ったのか、ちょっと検証してみましょう。

 

必要な資金は調剤機器に350万。
+)仕入れや経費など支払のための運転資金に400万、
_________________________________________
合計750万。

調達の方法は、自己資金50万( いかにお金が無かったか おわかりですか )と、
+)国民金融公庫からの借入が700万円で、
_________________________________________
合計750万円。

一見、収支は合ってます(笑) 。

 

【これだけあっても恐怖を味わった】

でも、実際に借りたのは2つの金融機関から合算で1500万円。
自己資金は、カードローンで借りた(笑) 50万円 。
親戚などからの借金が400万円。
_________________________________________
合計1950万円でのスタートです。

【注】
開業1ヶ月に銀行から1000万融資実行。
開業から8ヵ月に国民生活金融公庫から500万融資実行。
開業前(平成15年4月中)に公庫から750万円借りようとした案は、みごとに玉砕しました。

 

【手にできる金額は額面どおりではない】

しかも、借入金は、保証金を引かれて振込まれるということを皆さんは考えたことがありますか?
サラ金などに縁が無かったので、私はそのシステムは、融資を受ける過程で知りました。

1000万円 借りたつもりでも、実際の振込みは 9443731円 になります。

 

【返済は突然はじまる】

また、5/28に借り入れると、返済は6/2からです!

実際には、5/1開業ですから、借入が確定するまでの間は全部持ち出しです。
これは不安です。
きっとお金を借りて何かをやったひとにしか分からないかもしれません。

返済の原資は、通常、利益の中から出します。
でも利益が出てないとか、事業が始まったばかり だとしてもこれは待ったなしです。

  • 店舗を借りるのに、100万円
  • 仲介者へ権利金だといって200万
  • リース代3件の返済開始問屋の支払開始
  • スタッフ給料の振込み
  • 健康保険の引き落とし
  • 事務用品消耗品の支払

などなど出て行くものの多いこと多いこと !

5/1から営業をはじめ、初めて、社保診療報酬支払い基金からの振込みがあったのが7/23。
7/28に国保連合会からの振込み。

うれしいなどと思っている暇は全くありませんでた。

初めて手にした収入はあわせても400万円くらいでしたから
圧倒的に出て行くもののほうが多いわけです。

念のために申し添えますが400万円は利益ではありません。
単なる売上ですから、粗利率30%として考えたら120万円くらいです。
出て行く金額がいかに多いかおわかりでしょう。

収入があるまでに必要なお金、資金、これが運転資金です。

 

【反省の弁】

上記の開業計画書で、器具器械に350万円、運転資金400万円というのは、
全くの方便、夢物語の金額でした。

資金調達についても750万円で薬局経営を開始できると思ったのは、事業に対する、認識不足でした。

どんなに緻密な資金計画をたてても、思わぬお金がかかるのが常ですから、石橋をたたくにしても限度があります。

参考までに、銀行口座の月末残高を書きますね。
もっとも残高が大きかったのは、借り入れた直後の1100万円

6月末 445万円
7月末 516万円
8月末 292万円
9月末 179万円
10月末 191万円
11月末 139万円

残高としては、このあたりで、もうダメ、限界かな?
と思いました。

ただ、8-9月くらいから、扱い処方せん枚数も少しずつ増えてきました。

12月末 458万円
01月末 488万円

入っては出て行く、入っては出て行く、
こういうのを 自転車操業 というのでしょうか。

少しはドキドキ感がお伝えできましたか。
開業計画書は、あまり緻密に書いてもダメだし、
見通しが甘すぎて、
私のようにスリルとサスペンスを味わうのもどうかなと思います。

開業計画を書くときは、金融機関のために書いてはダメです。
あくまで自分の事業のために、むしろ厳しすぎるか ! と思うような気持ちでかかれることをお勧めします。

『 資金ショート 』は、突然来るように思われるかもしれませんが、私の例を挙げるまでもなく、既に、開業を志したときからの積み重ねでやってくるのですから。

2007.05.17

薬局を開設するまで (資金) 2008. 12. 27改編

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Q:薬局をつくるにはどれくらいお金がかかりますか?

A:ふつうは事業資金の半分はキャッシュで持っているというのが基本ですね。

私は資金がありませんでした。手持ちの資金ゼロです。お金がない。
そこで、「あきらめる」か「なくてもなんとかならないか」という二つの考え方の選択があると思います。

威張れることではありませんが、ある事情で、手持ち資金どころか、さらに借金が250万円くらいありましたからマイナス250万円の資金です。

お金がナイのに、なぜ薬局作れたのか? ってことですけど、まずは考え方。

お金がかかる⇒お金がない⇒やっぱ僕には無理 というこんな図式ではなく
お金がかかる⇒お金がない⇒でも今しか人生にかけるチャンスがない

こう考えたから歯車が違った回りをしたという事ではないでしょうか。
とにかくできないということは考えませんでした。
資金面以外、条件が揃いすぎていましたから。

こういうときはヒトのお金を充てにしなくては先に進みません。お金は銀行から1000万円、親戚の三者から計400万 これだけでは足りなくて開業8ヶ月目の昨年末に、国民生活金融公庫から運転資金として500万借りてます。

 

小さな薬局ですけど、これくらいは資金を持たないと難しいですね。

そのほかに必要なものとしては薬局設備として錠剤や散剤の自動分包機とか、報酬請求用のコンピュータ、コピーなどの事務機などがあります。
しかしこれらを買う余裕はありませんのでリース契約にしました。

5年間60回のリースです。

金融機関からの借り入れの時もそうですけどリース可能かどうかは保証人次第です。私は、この保証人にも恵まれました。

2003年の4月末のことですが、薬局の建物の賃貸契約時に必要な50万円のお金がなく、目と鼻の先の新琴似七条郵便局のCDの前に立ち、VISAカードで50万円をキャッシングしたときの不安感といったら例えようがありません。

2007年5月です。開業して4年経ちました。

none_img_news-info (記事の引越しをしています)

毎年5月1日は、やはり特別な思い入れがあります。

開業に気負っていたのでしょう。
わずかな枚数の処方箋を調剤して家路についたのは23時を優にまわっていました。

交渉を人任せにしていたため、未だに釈然としない、開業後2ヶ月めの店舗移転
開業したはいいが、資金が 「 みるみる減っていく 」 恐怖と不安におびえた最初の半年間でした。

4年たっても、未だにいろいろな書類に 『 開業何年何月 』 と書くことがたくさんあり、そのたびにどれだけ時間が経過したかを知ります。

  • 薬局の開業なんか簡単だ !  と一瞬でも思っていた私自身を振り返るにつけ、4年間過ごした大変さと比べ、なんと世間を知らなかったのか、と恥ずかしくなります。
  • 信用なんて、自分にはある !? ?と一瞬でも考えていた自分は、お金を借りたくても借りられない現実や、はんこを押すときに求められる保証人の欄を途方にくれる思いで見ていました。
  • スタッフを雇うことなんか何とかなるさ ! とたかをくくっていたとき、人をつかうことは給料の額面だけを考えていればいいのではないということを大いに知らされました。
  • チャンスはいつでもめぐってくる ! となんとなく待っていたとき、次に何かをやろうというのは、自分の意思だけではできないことと、チャンスとリスクは紙一重であることを思い知らされました。

 

この5月2日、はじめて4周年記念と銘打った食事会を、お客様も交えて行う機会を得ました。

 

いままでやりたくてもできなかったし、「 何周年 」 を振り返る余裕もありませんでしたので私自身にとっては感慨深い会でした。
写真は、5月1日付けで札幌中央労働基準監督署に届出た就業規則届です。

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社会保険労務士 山本和紀事務所 の協力で4月末に完成しました。

社員はいつでも閲覧できます。
小さい会社でも、「 きっちりしたい 」 とおもっております。

2007.05.07