ヒヤリハット

none_img_column? 2004.02.10

調剤過誤にいたらないまでも、ほんの直前でいろいろな間違いを見つけることがあります。昨日もそんなことがありました。
錠剤カセットにちがう錠剤を補充したのです。入れた直後に違和感に気づき、もちろん事なきを得ました。

なぜこういうことが起こるのか、起こさないようにするにはどうするか、はたして自分には無関係なことなのか、これらについて朝礼で話しました。
いつ何どき、この悲劇の主人公になってしまうか、その可能性は高く、とても他人事(ひとごと)では済まされません。

『 自分なりの基準を必ず設けてください 』 という話をしました。

動作をするとき、何のために自分がこの動作をしているのかを考えられないような機械的な動きは、間違いを誘発します。
それは、『作業』です。私たちは、『仕事』をしなくてはいけません。

脊髄反射で身体が勝手に動くのではなく、せっかく人間なんだから、脳みそを使って、身体を動かさなくてはいけません。それが仕事です。
少なくとも、頭で考えて体を動かすとき、間違いはかなり減らすことができます。

短時間に、たくさんの患者さまが集中したときにうわずる気持ちを理性でぐっと抑え、頭で考えるトレーニングをしましょうと職員には訴えかけましたが、何度でも、これから同じことを言います。【2009注: いまでも、いつでも言ってます。】

  • あせっても
  • いらいらしても
  • ドンドンと足音大きくあるいても
  • はたまた怒鳴っても

調剤は1分も早くならないばかりか、こんな間違いを起こす可能性は飛躍的に大きくなることを私たちは理解していなければいけません。

調剤過誤NEWS速報をうけて

none_img_news-info? 2004.01.08

似た名称で投薬誤る
50代男性が一時意識不明-山形
————2004 年 1 月 7 日

山形県立河北病院(同県河北町、千葉昌和院長)で昨年11月、薬剤師が血圧降下剤と似た名称の血糖降下剤を処方し、同県の50代男性が一時意識不明になる投薬ミスがあったことが7日、分かった。男性は同病院に運ばれ意識を回復したが、経過観察のため現在も入院中。
同病院によると、男性が11月下旬に人工透析のため来院した際、薬剤師が血圧降下剤「アルマール」と誤って血糖降下剤「アマリール」を処方した。男性は自宅で服用、血糖値が通常の4分の1程度に低下し意識不明になったという。

錠剤の取り違えは薬剤師が一番起こしやすいミスのひとつです。最終的に患者さまに薬が渡る前にこれを発見し過誤を未然に防ぐ工夫が求められます。

今日は、この話題を朝礼で話しました。

  1. 誰もが当事者になる可能性があること
  2. 最終責任は薬剤師にあること
  3. 全員がミスを防ぐという意識で仕事をすること
  4. こなすだけの『作業』と、目的を持った『仕事』の区別を明確に意識してもらうこと
  5. 復唱、当事者以外の目を通すことなどをしているが、漫然と作業しては意味がなく、患者さまに薬が渡ることを意識してほしいこと
  6. 薬剤師と事務員の仕事の区別は『監査』『投薬』『薬歴記載』この点においてのみであること
  7. 患者さまに薬を渡すと言うことは、「こんなことがあったからこうしましょう」、というような試行錯誤ではない。高い意識を持ってしなければいけない仕事であること

こんなことを話しました。
あってはいけないことなので、
薬局で働く全員の共通した意識が求められます。一度や二度説明してわかることではありませんし、それでは防ぐことはできません。くどくど、毎日、同じことを繰り返してと思われるかもしれませんがこれからも朝礼で同じことを話し続けなければいけません。

じゃがいもをいただきました

none_img_column?  2003.11.04

けっして、あってはいけないことだと思います。

投薬した薬の分包紙の中の一包が、1錠不足でした。

今回は調剤機器の点検中にそれが予測されました。
とりあえず患者さまに電話したところ、まだ開封前だということでしたので、「不安があるので確かめさせて下さい」という話をして車を走らせました。

患者さまのお宅は農家で19時を廻っていたのにまだ作業中であり、忙しい中待っていてくださいました。
車の中で再度点検させていただくと90包中、やはり1個入っていません。

その場で1錠を戻し、患者さまにお詫びをして帰ろうとしたときに「じゃがいも」が出てきたのです。
一度は固辞したものの感謝しながら戴いてきました。

後日、ある尊敬すべき元上司が、
もし自分が調剤過誤を起こしたら 「 舌をかんで死ぬ 」 とおっしゃっていたのを聞き、薬剤師とはかくもプライドを持って調剤にあたらねばならないものかと反省した次第です。

人間は間違いを犯す確率を常に0.2%ほど持っているらしいです。

精神論では間違いはなくならないそうです。(しゃきっとしてやれとか言われますが…)
返すがえすも、患者さまに迷惑をかける間違いはしたくないものです。