処方箋から先に見る

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?「 調剤するとき、薬から先に見てはいけません、必ず処方箋から先に見てください。」

処方箋から先に見るというのは、調剤監査をするときの基本中の基本ですが、こんな基本を教わったのは、学校の講義ではなく、大病院の薬局長のレクチャーから、でした。

思い込みによる調剤過誤、ということがあります。

薬を先に見てそれから監査しようとすると、思い込み ( 先入観 ) がじゃまをするので順番を間違えないようにしてください、というお話しでした。
現場で監査するときに、大いに役立ちました。

年の初めですから、今、順調に薬局が動いている根本は何か、それを考えてみようと思います。

そして、こんな 基本に立ち返ること?をだいまる薬局の小さな目標にしてみます。
間違いを、監査ミスを、調剤ミスを、減らすには工夫が必要です。そのためには、どうしたらいいのかという認識をみんなで共有しなければいけません。

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ただ漠然と間違わないように、間違わないように、と思いながら仕事をするのではなく、間違わないことが患者さまの最大の利益につながることを意識して仕事をする必要があります。

たとえば、整理整頓、私語を慎むこと( 集中 )、薬剤服用歴の確認、ひとりで確認しない、など 繰り返し繰り返し同じことを何度も何度も話してきていることですが、これからも何度も何度も繰り返し話すことは間違いありません。
慎重にとか、マジメにとか、誠実にとか、これらが薬局の文化になるには、それくらいしつこく言っても足りないくらいだと思ってます。

2008.01.04

責任は明確にしたい

none_img_column???? 2005.08.25

あるとき、薬局内で問題が起こりました。

重大な間違いでしたが、この時点から先にもし万が一進んでいったら、重大以上の深刻な問題に進みそうな間違いでした。
担当者には厳重注意と相成るはずでしたが、担当者が特定でません。
誰がやったのかどうしても自己申告以外に確認できない、わからない。。。

患者さまへの謝罪と病院への報告が済むと、社内ではこちらのほうが問題になりました。

薬局内では、これをきっかけに、調剤録や、作業伝票に全ての過程でシャチハタなどの印鑑を押印するという約束事が出来上がりました。
このことで、「誰がやった仕事なのかがわかる」仕組みをつくることができ、仕事の過程においてその段階を仕上げたのは自分だという責任を持たなければいけないという、意識の改革につながったと思います。

朝礼でも話題にしましたけど、最後に責任を取るのは店長、その上に社長。
でも一つ一つの過程をしっかり責任を取ることで間違いは飛躍的に減るものです。
精神論では間違いは減りません。

いかにしたら、間違わずに済むのか ? という問いかけを自分自身にし、その可能性を排除する仕組みを作ることがとても大事なことだと思います。

そして、もうひとつ、だいじなこと。
それは、誤りに気づいたときに、 『 すみません 』 と心から素直に言える心構えだと思います。
チームワークのためにはぜひ用意したい言葉ですね。

その投薬は誰がやったのか ?

none_img_column??? 2004.12.09

その投薬は誰がやったのか? ?
株式会社N調剤という会社で働いていたときのことです。

皮膚科の処方箋が出たAさんに、Bさんの精神科の薬を間違えて投薬するという事故が起こりました。

私が経験した最初の大きな調剤過誤でした。患者さまからの電話後、入院の手配、代理人と称する人との交渉、毎日のお見舞いなど多大な労力とお見舞い金などの金銭的な交渉などその後1-2ヶ月に渡って毎日がとても大変でした。

もちろん一番大変だったのはその被害にあった患者さまであったことは言うまでもありません。
この事件は「だれがやったか」? は実は最後までわからなかったのです。犯人捜しの話や、各種の噂ばなしは、ありましたが、本当に誰がどのようにという部分がわからない。

間違いを誰がやったか、という部分はこのようにやったことすらわからない、という状況であることが多いのです。
みんな、もしかしたら自分かも ? という負い目があるのにその確証もない。
いつか、誰かが、必ず当事者になる可能性があるのです。
そのことに気づくと、じつは、その投薬は誰がやったのかを詮索してもあまり意味がないことがわかります。やってしまったことは元に戻らないのだから、次回そのことを「やらない」ためにはどうしたらいいのかを話し合い、考えることのほうが重要になります。
私はこの経験から

間違いを指摘したりすることより間違わない環境を作ることの重要さを考えさせられました

だいまる薬局の朝礼でも何度もこの話題がでました。常に「誰が何をやってしまったか」よりも、「やらないようにするにはどうしたらいいか」また、「明日はわが身であるという教訓をどのように生かせるか。」

薬剤師は、資格があることで、薬を作ることと、投薬することを任されます。

常に間違えることを前提に仕事の流れを作ることで間違いにくい環境を整えていけるのだと思います。

じゃがいもをいただきました

none_img_column?  2003.11.04

けっして、あってはいけないことだと思います。

投薬した薬の分包紙の中の一包が、1錠不足でした。

今回は調剤機器の点検中にそれが予測されました。
とりあえず患者さまに電話したところ、まだ開封前だということでしたので、「不安があるので確かめさせて下さい」という話をして車を走らせました。

患者さまのお宅は農家で19時を廻っていたのにまだ作業中であり、忙しい中待っていてくださいました。
車の中で再度点検させていただくと90包中、やはり1個入っていません。

その場で1錠を戻し、患者さまにお詫びをして帰ろうとしたときに「じゃがいも」が出てきたのです。
一度は固辞したものの感謝しながら戴いてきました。

後日、ある尊敬すべき元上司が、
もし自分が調剤過誤を起こしたら 「 舌をかんで死ぬ 」 とおっしゃっていたのを聞き、薬剤師とはかくもプライドを持って調剤にあたらねばならないものかと反省した次第です。

人間は間違いを犯す確率を常に0.2%ほど持っているらしいです。

精神論では間違いはなくならないそうです。(しゃきっとしてやれとか言われますが…)
返すがえすも、患者さまに迷惑をかける間違いはしたくないものです。