2003.07.17 の「こだわり」補足

none_img_column???? 2005.07.12

だいまるコラムの第一回目「こだわり」を読み返し、また、当時から一緒に仕事しているスタッフとよく話すことについて、ここに書いてみようと思います。

先日、朝礼で? 『? 処方箋はただの紙だが、これに拠って調剤された薬を飲むのは人間だ? 』? という話をしました。

われわれは、機械的に仕事をしているのではなく、患者さまという生身の人間を扱う仕事なのだ!という意識をみんなに持ってもらいたかったからです。

その朝礼では、患者さまを友人のように接してはいけないこと、薬をとりに来るひとは本人とは限らないし、家族とも限らない。奥さんと思っていた人が、実は違うことだってある。呼び方には細心の注意が必要であること、また、お年寄りに対しておじいちゃん、おばあちゃんなんていう呼びかけは間違っていることなどを話しました。
口では、薬局はサービス業なんだから、ということをよくいいますが、果たして、その人は、サービス業と薬局をどの程度結び付けて考えているんだろう。そんなことをふと思う情景に出会うことって、たまにあります。

少なくともサービス業としてわれわれがやらなければいけないことは、患者さまが滞在するわずかな時間に何かひとつでもいいから満足感を与えること、些細なことでもいいから、その患者さま一人一人に特別な何かを感じさせる努力をすることではないでしょうか。
病院でカルテにあたるものに薬歴(薬剤服用歴管理記録簿)というものがあります。上記の観点から、だいまる薬局ではその整理を「50音順」にしています。生年月日をレセプト用のコンピュータで確認しなければ先に進めないシステムではうちの方針に合わないね、なんて話をしながら、頑固にやってます。

薬局は成長しても変えてはいけないことがある。

それは人間でいえば背骨の部分であり、一本、筋が通った信念のようなものだと思います。

働くとはどういうことか

none_img_column??  2005.07.11

「 働く 」 ということをこの数日よく考えます。
サラリーマン時代は、「やってられない」というおもいをよく周囲にぶつけ、

  • 「おもしろくない」
  • 「やりがいがない」
  • 「あほらしい」とこぼしていました。  

そうです、ついこの前まで(^^) です。

以前、 「? イヤなら辞めろ・辞めないなら何かを変えろ? 」 という結びの文章でコラムを書きました。

わかっちゃいるけど、そうあんたが口で言うほど、簡単に物事は進まない… そんな声も聞こえてきそうです。
いや、じつは、そのとおりなんですよ。 Aさん。
そうだろ ?  自分の思い通りに物事が進むなんて、なかなかありえない。。。
至極ごもっとも。 そのとおりなんですよ。 Bさん。

私が伝えたいことは、何か結果を出すには、ある程度の時間がかかるということなんです。
めげないで、腐らないで、毎日を地道に過ごす努力をしてみてください。
きっといいことが自分の周りに起こることを信じて進んでみるという努力をしてください。

私事ですが、昨日の日曜に 『 北海道森林マラソントレイル・フェスティバル 2005 in 定山渓 』 というイベントに参加し16Kmを1時間48分というきわめて平凡なタイムで完走してきました。
定山渓の山道を数百人が走るわけですが、道々、係員がすべての参加者が完走するまで、じっとたちながらコースの指示や危険箇所の急勾配の指示をしてくれます。
そんな中、私と併走する形で、10Km付近からゴールまで一緒だった年配の方がいました。
背中に 『 姫路 』 とプリントされた関西弁の方で、ひときわ印象に残ることがありました。

このおじさんは、走りながら、その係員さんすべてに、 『 ありがとう 、 ありがとう 』 と声をかけていくのです。
また、
『 さ、あと数キロや、いままでつらかったから、これからは森林浴思いっきり楽しまな 』 と私に話しかけ、足がつって歩いている人を見ると、とにかく 『 がんばろ、もう少し、一緒にゴールまで行こう 』 と声をかけるんです。

あかるい。
とにかく明るい。
その明るさに、歩いている人が一緒に走り出す。
少なくとも5人はこのおじさんに救い出されました。

走るということは、それ自体とにかく苦しいんだけど、前に進むという着実な目標がある。
意識するかは別にして、走らないとゴールできない。
感謝・明るさ・成功・達成のサイクル をこのおじさんに見て、仕事もこれと一緒かなと思ったものです。

そんな思いでいた矢先、仕事のあとで週2回通っている鍼灸院でふと見たカレンダーに、

【働くとは自己の持てる能力を周囲の為に役立てることである】

と書いてあるではありませんか。早速メモして来ました。

みなさんにとって、働くとはどういうことですか ? ぜひ考えてみてください。

順番に良いことがおこる

none_img_column   2005.05.22

良いことを考えれば良いことがおき、悪いことを怖れを持って考えれば悪いことが起こる。

私が心のトレーニングをするときに、いつも念頭に置くことです。特に最近では、自分の周りには、良いことしか起こらないと断言するようにしています。

その人が考えることは、その人の周りにいろいろな出来事を起こします。そこには偶然なんてありえず、いつも必然的に出来事が起こると思っています。

考えても見てください、人相の悪い、貧相なヒトに、いい話が舞い込むでしょうか?その人相を作っているのは、その人の毎日の考えの積み重ねです。

私に、心の科学を考えるそのきっかけをくれたのは、十数年前に一緒に働いていた同僚でした。ジョセフ・マーフィーという人の考え方を実践する本を読んでみろと勧められたことがきっかけでした。
–ジョセフ・マーフィーで検索してみると結構ヒットします。お試しを。–
私の気持ちも収入もどん底の2000年ころに、一気に花開いた調剤薬局の社長さんが千歳にいます。
訪問した私に「決してあきらめないこと」と「成功は順番にやってくること」「あなたの番が必ず来ると信じていたらいいですよ」というお話をしてくれました。

そのことは私の心の糧になっています。

最近、「自分は運がいい。もしかしたら、運だけで生きているのではないか?と思うくらい運がいい。」こんな話をよく人にします。
運がいいなーと思う出来事が身の回りに、たくさん起きているのでそう思わざるを得ないからです。

きっかけは「縁」だと思いますが、その後は何かしらのひらめきとそれを行動に移すちょっとしたきっかけを大事にするということだと思います。
ある知り合いのかたは、私に以下のような話をしてくれました。

くよくよ考えない。
人をうらやまない。
あせらない。
良い人と付き合う。
いずれ良い結果が生まれます。

こんな話をしていただけることが、すでに私は運がいい。
ほんとに感謝しています。

小さな喫茶店–シェフに教えてもらったこと–

none_img_column??? 2005.03.28

T子?です。

レストラン修行時代、シェフに多くのことを教わりました。
少しずつこのホームページで紹介していこうと思います。
自分に対する他人の評価というのは、時によって、とても厳しく、自分の能力以上の事を求められることがあります。

それは小さい組織になればなるほど求められるものだと思います。

小さい組織は、そこを経営している人にとって、なにかしら思い入れがあっての仕事だとおもいます。もし、そこから自分がいなくなったときにどういう状況か、というのはとても心配なことだと思います。

例えばここが小さな喫茶店だとします。

店主はいつも丁寧にコーヒーを入れ、手作りのお菓子を毎日作ってお客様に喜んでもらえるようがんばっていました。
そんな評判がいつのまにか街に広がってどんどんお客様が増えてきています。
うれしいことですが、店主はひとりでは大変になり、人を雇うようになりました。
その従業員に一つひとつ自分のやり方を教えて、仕事を任せられるようになり、店主も少し安心していました。
そしてある日、店主は大事な用事で店を離れなければならなくなりました。
そこでその従業員に任せて外出しました。しかし、いつもはきちんと仕事をしていた従業員も、いつもの厳しい目がなくなると、本来の自分がでてしまい、少しずつ手を抜いて仕事をしていました。
あるお客様は、 「 店主のコーヒーが飲みたい 」? と帰ってしまいました。
しかし、ほとんどのお客様はその従業員の入れたコーヒーを 黙って 飲みました。

店主は店を離れた不安でいっぱいながらも、戻ってきた時に何事も無く店が営業していることを見、安心して、またいつものようにコーヒーを入れお菓子を作りました。

ところが、何度かそんなことを繰り返すうち、いつのまにか、いつも来ていたお客様が来なくなっていました。
そして、そんなある日、店主は噂を聞きました。

『 店主がいない間のコーヒーはとてもまずく、味が落ちたね。』 と …

つまり、店主は従業員に仕事の方法は教えられても、店主がこれまでにどんな想いで小さい喫茶店を守ってきたのかを教えることはできなかったのです。その結果、毎日、毎日、努力をして少しずつ増えたお客様をそんな一瞬で失ってしまっていたのです。

その従業員は何の苦労もしないで「方法」だけを教えてもらった結果、『仕事をこなす』ことはできてもそれ以上のことはしようとはしませんでした。

もうすこし店主の努力、つまり想いとか、思い入れを分かろうとしていたならこんな結果にはならなかったのではないでしょうか?

当時、私たちはシェフがどんな想いでレストランを開きお客様を迎えていたかを教えてもらいました、でもそのことを知らないで「ただ働く」のでなく、周りを見て、「考えて仕事をする」ように教えていただきました。時には、激しい情熱で・・・

いま、私はシェフに会っても恥ずかしくない仕事をしているでしょうか?  少し不安です。

— 自分がほんとうに何者なのか示すのは、持っている能力ではなく、自分がどのような選択をするかということ。
ハリーポッターと秘密の部屋より

もし、免許が無かったら…

none_img_column?  2005.03.10

このホームページを見てくださる方のなかには、免許証 ( 国家資格 ) を使って仕事をしている方も結構いらっしゃるのではないかとおもっています。
私が個人的に知っている、医師、歯科医師、薬剤師、看護士、鍼灸師の有資格者の方々なども見て下さっているはずですが、特定の〇〇さんに向けての話ではありません(^^)。

みなさんは、あまり、『 もし 』を考えることって無いでしょう。考えたとしても一般に「もしも」というのはあまり前向きな話でなかったりしますね。

でも、あえて、もし自分が免許に頼った仕事をしていて、その免許がある日無くなったら、いったいどうやって暮らしていけるか、また、どんな仕事ができるか。
つまり、つぶしが利くかどうか。
そんなことを考えたことはありますか?

私たち薬剤師を例にとると、

  • 「調剤行為」
  • 「投薬行為」
  • 「薬歴管理業務」

これらができません。薬局の開設者はできても、管理者を他にたてなければいけません。つまり、経営はできても運営はできないことになります。

包丁一本さらしに巻いて?ではありませんが、

「もし、あなたから、今、メシの種であるところの、その、さらしに巻いた免許証を取り上げたら、何が残りますか?」

免許の存在自体にあぐらをかいた他力本願的な仕事をしていないか、省みることは、ギョウカイ人たる医療機関に勤める人にとってはちょっとは意味のあることかもしれません。

特に薬剤師は、自分の免許を使って独立開業できる数少ない業種です。あなたが、もし、独立なんてコトをちょっとでも考える人なら、免許に頼る仕事をしていないかどうか、考えてもいいと思います。

何から何まで一人でやる覚悟なくして独立はありえないし、他力本願の体質ではなかなか。。。さらに申し上げると、薬剤師として「他力本願」的な仕事をしていては、「つぶし」はなかなか利かないものです。
店舗をきりもりする、ということは、ほかの仕事でつぶしが利く『ノウハウ』がたくさん詰まっていますが、「求めない人」にとっては、

  • まさに宝の持ち腐れ
  • 豚に真珠
  • 猫に小判
  • 馬の耳に念仏。

その「求めない人」の例として、調剤だけやっていればいいんだという薬剤師にもよく会いました。しかし、考えてください。すしだって器械が握る時代ですから、調剤ロボットができたらいったいあなたの仕事は何ですか? それでも薬剤師としてやっていけますか? って話になりかねません。
独立」というのは、このホームページのテーマのひとつですけど、免許に頼らない仕事をしている人には、必ずチャンスが巡ってきます。

たまに、だいまる薬局を手伝ってくれる私の大学時代の友達にS君がいます。大手の調剤薬局チェーンに勤める彼の仕事は、まさに免許に頼らない仕事だと思いましたのでここで紹介します。
とかく「手伝い」に来た店は、所詮手伝い気分になりがちなものです。しかし、彼は、自分の店のように慈しみ愛しむ「姿勢」なんです。投薬、薬歴、在庫、突発的な出来事への自主的な対応、患者さんへの真剣な気配り、清掃。おおよそ「やって」といわなくてもやる「姿勢」に私は感動し、なぜ ? と問いかけました。

その時の彼の言葉がすばらしかった。

「独立し、自分の店をやろうとするくらいの気構えの人間が、コレくらい言われなくてもやるようじゃなかったらオワッテルでしょう」
作業をしても給料はもらえるはずですが、しっかり自分で考えて仕事をしています。

チャンスは彼に微笑むはずですし、求める人には「必ず」与えられるでしょう。

もし、免許が無かったら… とは、免許が無くても通じる仕事をしているかどうかということなんです。

薬剤師の草冠(クサカンムリ)を取って、 『 楽剤師 』 を名乗ったほうが似合っているような仕事をしていませんか ?
問題意識はそう簡単には芽生えませんが、自分に負荷をかけるトレーニングで今なら間に合う人がたくさんいるはずです。