(2003年11月)今日の朝礼

none_img_column??   2003.11.07

相手の立場や視点にたってとか、思いやりを持ってとかいう話をよく聞きます。

もし患者さまご自身が、またご家族が? 『? 患者である? 』? ことを第三者から指摘されたくないと思っているとき、私たちの薬局でできることは何でしょう。

こんなことがありました。
家族の方に投薬していて、うっかり 「? 『患者さま』? はなんとおっしゃってますか?」? と聞いてしまったとき、今まで普通だった態度がぎくしゃくしてしまいその後の応対がスムーズに行かなくなった。
これはとてもデリケートな問題だと思います。

薬を渡すとき、家族の方であればお父さん、とか奥さんとか、娘さんなどという呼称を使わず、〇〇さまというように名前をしっかりお呼びし、『患者さま扱いをしない』 ことも大切なのではないでしょうか。
患者さまが望むことをすべてしてあげるのは難しいですけど、いやなこと・してほしくないことをしないということはそれほど難しいことではないような気がします。

医療では誰が顧客か

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ずっと疑問に思っていたことでした。

 

サービス業ではお客さまがいて、お客さまに思いを馳せてあれこれと動く。

これが普通の話です。
医療だってサービス業ですとは言ったもののお客さまって誰のことなんだろう。
そんな事がわからなかったんです。

試行錯誤の中で、「お大事にどうぞ。ありがとうございます。」
と言ったこともありました。でもなんか変でした。

私としては、数ある調剤薬局の中からウチの薬局を選んでくださってありがとう、というつもりでしたが、患者さまが具合悪くなって病院にかかって、院外処方箋をもらって調剤薬局へ行き、そこで「ありがとう」では、

『私が病気になってつらいのに、この白衣を着た薬剤師はニコニコしながらありがとうといっている。これではまるで自分が具合が悪いことでコイツを喜ばしているみたいだ』

と思われても不思議がないことなんですね。

そんなとき、ある勉強の場で、「患者さまは、つらくて病院にかかるわけですから、やはりお客さまではありえません。顧客はその患者さまを取りまく周辺の人々です。」と発言された看護師さんがいて、私は今までの疑問が氷解するような思いがしたことを覚えています。

患者さまがつらい思いを話してくれたときはつらい思いを共有・共感し、しっかりとその思いに耳を傾けて聴くことを大切なことと教えてくれた友人医師がいます。
まさに病医院と調剤薬局は同じ患者さまに接するわけで、患者さまが主役たりうる環境を作るのは薬局も同じなのです。

ついこの前まで、顧客として患者さまを見てきた自分を反省しつつ今、この文章を書いています。

2003.07.24