調剤過誤を防ぐ基本

none_img_daimaru??? ? 2004.07.13

私は自分自身で調剤をするにあたり、いろいろな間違いをしてきましたし、いろいろな間違いもまた、みてきました。
薬剤師をやっていて間違いをしなかったと豪語する人はいても(悲しい勘違い)、間違えそうにならなかったという人はいないだろうと思います。

  • うっかり間違えること
  • 調剤過誤
  • ヒヤリハット

どれも、違いは紙一重ですし、それほど私たち薬局で働く人にとってはある意味身近なことです。

どうしたらその間違いをなくすことが、また、ゼロに限りなく近づけられるかということにみんな腐心するところだと思います。

科学的な根拠はさておき、だいまる薬局では整理整頓がまず「いの一番」の基本、だと思っています。

倉庫や書庫、薬歴の棚や、薬品庫などが汚れ、整理されていなければ、その薬局は限りなく間違いに近いところにあるといっても過言ではなかろうと思います。

綿ごみ、抜け毛がたくさんの床…。いままでたくさんのそのような、あるいはそれに近い薬局を見てきました

誰かがやる?

そうなると、もはや誰も片付けません。きれいなものは維持しようとするけど、坂道を転がった状態は、なかなか元に戻せないのです。

今日の朝礼では、 「 棚の薬剤の向きをそろえようという(一見どうでもいいようなことを)意識しよう 」 という話をしました。でも、それが基本だと思います。薬剤名の取り違え、思い込みを防ぐ大いなる手段にもなると思います。

『整理・整頓』
几帳面であれ、とはいいませんが、意識をそこに向けてみたら調剤過誤のほんのいくらかでも、防げると思っています。

薬局への苦情を小耳にはさみました

none_img_column? 2004.03.26

面と向かっては、なかなか言われないことでも、投書や薬剤師会や保健所への苦情という形になって表に出てくるということはあります。

先日、新聞にこんな投書が出ていました。

要約するとこんな感じです。

『いつもいく薬局に喫煙コーナーというものがある。扉がなく、その煙が待合室内に充満してくる。職員に扉をつけるとか工夫してと苦情を言うと、わかったようなことを言うが次回またその薬局を利用したときに何一つ変わっていなかった。
そもそも薬局には喫煙コーナーは必要ないのではないか。私はその薬局を利用するのをやめ違う薬局で薬をもらうことにした。』
というものです。

非喫煙者の私はとても共感できましたが、患者さんのみならず薬剤師・薬局事務員は男性も女性も喫煙するヒトはとても多いように見うけられます。
患者さまに対しては、健康に悪いといっているにもかかわらず、当の本人たちが喫煙、ということではかっこ悪いですね。

もうひとつ。

昨日聞いたばかりの話題です。
ある薬局出の出来事。子供さんの薬で、倍量出してしまった。さらに入れる袋も間違えていた、というものです。もちろんあってはいけないことですが…ありえないことではないのです。

問題は、この後に始まります。

つまり、ここからの患者さまへの対応が事の大小を分けるんですが…、
当の責任者(薬剤師)が患者さまの保護者の方に言うには、調剤した薬剤師が、

  • 誰かに話しかけられたから間違えた、
  • さらにこのことは絶対口外しないよう内密に願いたい

と言ったというのです。

親御さんは憤慨してこの薬剤師の免許を剥奪するにはどうしたらよいかと薬剤師会に相談してきたということです。

初期対応を誤ると、話はたいへんこじれます。交通事故と同じように非を認めることが自分の不利になるから謝ってはいけないと、誰かが入れ知恵したものでしょうか。

二つの事例にいえることは患者さまに誠意を持って接してないし、患者さまのニーズの本質を理解してないということです。

薬剤師はホテルマンのようなスマートな対応も要らないし、立て板に水のような上手なトークができなければいけないということもありません。
患者さまが何をしてほしいか考え、今できることを正直に行うという単純なことが必要なんじゃないでしょうか。