ある薬局にて買い物

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昨日(2009年6月22日)、受け取った処方箋には当薬局で扱っていない薬が処方されていました。こういう場合、各薬局で零売といって小分けして融通し合うことがあります。

この薬品の種類には、

  • 軟膏
  • クリーム
  • ローション

の三種類があって、それぞれ、容量が違っています。
さらに旧包装品もまだ流通していて、軟膏に「軟膏」の文字無しクリームに「クリーム」の文字無し、という厄介な商品です。
重さについては、軟膏は25g、クリームは20gです。今回は軟膏を買いに行きました。

そこで渡されたのは、実は、クリームだった、というのが今回のお話です。

買い物から戻ってきてから、その事を先方の薬局に電話し薬剤師を指定した上で伝えましたが、その薬剤師は開口一番、「 20gという連絡を受けてます。20gとおっしゃいませんでしたか?? 」というではありませんか。

だから、20gでも、25gでも軟膏といったら、軟膏渡すのがマナー(!)というものだろうよ。心の中の口調(かなり小心モノ)も思わずぞんざいになりますね。

耳を疑う事になりますが、この薬局では、軟膏とかクリームとかの区別ではなく重さで区分けしているというのです。

調剤過誤とは調剤にかかわる一連の流れの中の事故ですが、薬剤師対薬剤師のやり取りは事故じゃないのか?というと業界人同士のやり取りですから事故とはいえず、どちらかといえば、恥ずかしい分類になります。

恥を知っている薬剤師なら、まず「ごめん」、とか「すいません」、とか「失礼しました」とかコミュニケーションをとる言葉が出てくるはずなんですけど。

近年、珍しい事例でした。

自分の非や過ちを認めるのってそんなに難しい事じゃないと思うのですが、まだまだそれができない自分がかわいい楽剤師、いるんですね。変な人がたまたま薬剤師免許もっちゃったのと同じ事ですよ。

処方箋から先に見る

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?「 調剤するとき、薬から先に見てはいけません、必ず処方箋から先に見てください。」

処方箋から先に見るというのは、調剤監査をするときの基本中の基本ですが、こんな基本を教わったのは、学校の講義ではなく、大病院の薬局長のレクチャーから、でした。

思い込みによる調剤過誤、ということがあります。

薬を先に見てそれから監査しようとすると、思い込み ( 先入観 ) がじゃまをするので順番を間違えないようにしてください、というお話しでした。
現場で監査するときに、大いに役立ちました。

年の初めですから、今、順調に薬局が動いている根本は何か、それを考えてみようと思います。

そして、こんな 基本に立ち返ること?をだいまる薬局の小さな目標にしてみます。
間違いを、監査ミスを、調剤ミスを、減らすには工夫が必要です。そのためには、どうしたらいいのかという認識をみんなで共有しなければいけません。

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ただ漠然と間違わないように、間違わないように、と思いながら仕事をするのではなく、間違わないことが患者さまの最大の利益につながることを意識して仕事をする必要があります。

たとえば、整理整頓、私語を慎むこと( 集中 )、薬剤服用歴の確認、ひとりで確認しない、など 繰り返し繰り返し同じことを何度も何度も話してきていることですが、これからも何度も何度も繰り返し話すことは間違いありません。
慎重にとか、マジメにとか、誠実にとか、これらが薬局の文化になるには、それくらいしつこく言っても足りないくらいだと思ってます。

2008.01.04

何事も形から

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水泳も、ゴルフも、自転車も、スポーツを我流でやるヒトと、習ったり研究したりしながらやるヒトでは見ていて印象が大きく違います。

スポーツはある形があって、型をしっかり押さえている人は傍から見てカッコいいのです。

しぐさや、身のこなし、周りとの調和など、手順やマナー、フォームなどを確実に自分のものとしていることで、上手だね、きれいだね、ここちいいね、という、いわゆるオーラを出すのではないかと思います。

 

実は、薬剤師や薬局スタッフの仕事というのも、この形、型を押さえることがとても大事なことなのですが、皆さん気づいてますか??
たとえば、患者さまに薬を出すとき、薬剤師「印」の押し方、「 輪ゴム 」のかけ方、分包紙の「 たたみ方 」、それに見合う袋の形の選択、袋の口のたたみ方、袋のそろえ方、外袋に入れるときの所作、外用剤や軟膏チューブを袋に入れるときの向き、お金をいただくとき、おつりを差し出すときの所作。
お大事にと送り出すときの声をかける自分の姿勢。—>送り出される人は見てませんが、待合室で次に渡される人は見ていますよ。。。

習って(習えば)できることを、習って行なうだけというのは、マニュアル主義であり、私は、あまり好きではありません。

最低限、それらは自分でできるようにし、さらに 『 頭で考え 』 て一連の流れを想定し、きれいに差し出す、きれいに行なう、よどみなくリズム感をもって行なうのがいいのかなと思います。

一連の流れを一つ一つ確実に行なう、ということは、間違いを大幅に減らします
これが 『 何事も形からの真髄 』 ではないか(笑)と思いますが、いかがでしょうか。

薬剤師や薬局で働くスタッフは、全て患者さまから、発信される情報をいつもキャッチできるようにしておくことが必要です。
ファーストフードのアルバイトのように相手を質問攻めにしても、得られるものはわずかであるだけでなく? ?『 もういいからさっさと薬をよこせ !? 』 と言われかねません。
ま、実際に、そんな声を聞きますので他人事 (ひとごと) ではありません。

むかし、スーパー? ( コンビにはまだ無かった頃 )? が台頭して、ボックスティッシュをどんどん安売りしはじめました。それでも、お得意さまは、私の実家の薬店からティッシュを買ってくれました。
お客さんが、「 お宅のティッシュじゃないとだめなんだ 」 といってくれたという話を聞きました。
( ☆ もちろんティッシュに差はありませんし、値段が勝負となるのは時間の問題でしたが… )

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さて、【 だいまる薬局さんじゃないとだめだ 】 と思ってくれる人がこれから出てくるかどうかは、毎日が勝負です。

そう考えたら、

  • 錠剤をとめる輪ゴムの斜めがけや、
  • 口から分包紙がはみ出した薬袋を患者さまに渡せるかどうか !
  • 薬剤師調剤印を薬袋の四角い印鑑枠から大幅にはみ出して押せるかどうか。

よく考えて仕事したほうがいいと思います。

何事も、美しい 形から ですから。

2007.09.15

魔の五分

none_img_column  2006.06.26

高校の時、体育の授業でサッカーを習ったとき、教えてくれた先生が言っていました。

サッカーには「 魔の五分 」というものがある。
点が入る(入れられる)のは開始直後の五分と、終了間際の五分だと。

この先生のおかげで、サッカーのルールでわかりにくい『 オフサイド 』もよく理解できましたが、それ以上に、この「 魔の五分 」とは、我々の仕事である調剤にも大いに当てはまります。

つまり、間違えやすいのは、自分が監査台に立った直後の五分と、「 あー今日もそろそろ終わりかな 」と思う直前の五分? (? 終了間際の五分? )? であるということです。
途中小休止をとったときでも、次に調剤・監査をし始めた五分というのはなかなか慎重にならないとキケンがいっぱいです。

レセコンの入力も、錠剤ピッキングも、バラ錠の補充も、いっしょです。

ヒトというものがいかに間違いを犯しやすいかということは身をもって理解しています。

医療機関において、本当に忙しい時間 ( 次から次へと監査をこなす時間 ) よりも、昼休み前後や、午後の診療受付が始まる時間により多くの種々の間違いが発生しているというデータを見たことがありますが、まさにその通りだと思います。

「 魔の五分 」にしてやられないように、その時間は、ヒトは間違いやすいということを再度認識しておこう、というのは、数日前の朝礼の話題でした。
2006.06.26

その投薬は誰がやったのか ?

none_img_column??? 2004.12.09

その投薬は誰がやったのか? ?
株式会社N調剤という会社で働いていたときのことです。

皮膚科の処方箋が出たAさんに、Bさんの精神科の薬を間違えて投薬するという事故が起こりました。

私が経験した最初の大きな調剤過誤でした。患者さまからの電話後、入院の手配、代理人と称する人との交渉、毎日のお見舞いなど多大な労力とお見舞い金などの金銭的な交渉などその後1-2ヶ月に渡って毎日がとても大変でした。

もちろん一番大変だったのはその被害にあった患者さまであったことは言うまでもありません。
この事件は「だれがやったか」? は実は最後までわからなかったのです。犯人捜しの話や、各種の噂ばなしは、ありましたが、本当に誰がどのようにという部分がわからない。

間違いを誰がやったか、という部分はこのようにやったことすらわからない、という状況であることが多いのです。
みんな、もしかしたら自分かも ? という負い目があるのにその確証もない。
いつか、誰かが、必ず当事者になる可能性があるのです。
そのことに気づくと、じつは、その投薬は誰がやったのかを詮索してもあまり意味がないことがわかります。やってしまったことは元に戻らないのだから、次回そのことを「やらない」ためにはどうしたらいいのかを話し合い、考えることのほうが重要になります。
私はこの経験から

間違いを指摘したりすることより間違わない環境を作ることの重要さを考えさせられました

だいまる薬局の朝礼でも何度もこの話題がでました。常に「誰が何をやってしまったか」よりも、「やらないようにするにはどうしたらいいか」また、「明日はわが身であるという教訓をどのように生かせるか。」

薬剤師は、資格があることで、薬を作ることと、投薬することを任されます。

常に間違えることを前提に仕事の流れを作ることで間違いにくい環境を整えていけるのだと思います。