居心地のいい店、わるい店

食べ物やさん(飲食店)に関する事です。

だいまる薬局ではよく宴会をしています。また、代表者もよく外食をしますので、立ち食いそば、居酒屋からレストランまで、その守備範囲はとても広くなっています。

だいまる薬局が開業してはじめての頃は、どこに食べに行ったらいいかずいぶんと迷いました。

しかしながら、最近特に思うことは、「 私たちが行く店は、そろそろ新規開拓ではなくて、リピート(再訪)でいいのではないか? 」 ということです。

理由は

  • 味がおいしいか、おいしくないかとか
  • お店がきれいか、きれいでないかとか
  • 値段が安いとか、安くないかとか
  • 場所が便利か、便利じゃないかとか

ではなくて、居心地がいいか、よくないか、で選ぶことが基準になってきているからです。

もちろん、鮮度が下がった刺身を平気で(悪びれなく)出す店や、長い髪の毛の入ったカレーを出す店や、うちは蕎麦屋じゃないといって憚らない単なるそばやなどは選択肢から削除されています。

そうではなくて、居心地がいいとは

  • 単に味ではないといいながら、びっくりするほど味が良かったり
  • 店がきれいじゃなくていいといいながら、適度な清潔感があって
  • 値段が高くても問題ないよと言いながらも、妙にコストパフォーマンスの良さを感じられたり
  • 場所は問題ないなんて言ってる人に対して、地下鉄出入口から程よい距離だったり

つまり、全てにおいてホドホドの程よさが感じられる事であり、最終的な決定打は、お店の人のほんわかとした温かさを感じられる接客を受けられること!なのではないでしょうか。

そんな時、こっそり手帳を出して、 『 また行きたいリスト?』 に書き込むことになるのだと思います。

だいまる薬局は、飲食店ではないですけど患者さまから見て居心地が良い店を目指しているつもりです。患者さま全員から居心地がいいと思われたら、こちらがかえって窮屈(笑)ですから、これまたホドホドを目指すのがいいのかな、と思います。

せめて、またあの薬局に行くことが苦痛ではない、という程度が程々の良さかもしれませんね。

コース料理のパンのサービスは有料か無料か

ワインをよく飲みます。

そんな食事のコースでの他愛もない話です。

コース料理のパンのサービスは料金に含まれるお店と、メニューにパン300円と書いているお店とがあるけどどっちがいいんだろうね?という話になりました。

まあ、当然無料が良いよねとはみんな思いますね。

さあ、では、何が良いか、くらいは考えましょう。
もちろんお金がかからない、とはいえ、金額が会計の数パーセントですからあまりこだわるのも大人げない。

とすると、会計伝票に載っていないものが出てきたことで ( = 料理としては出てきたけど、会計には載ってない) お客は妙に「満足」するんでしょう。

この満足が何につながるか、というと、それは 「 次の来店 」 にだと思います。

つぎも行ってみようかな、という動機付けに充分なり得ますし、逆に言うとパンの値段ごときが、お客さんのリピートにつながるということを知っているお店が敢えてパンの値段をメニューに載せないのでしょうか。

お店のコストの常識だとしてパンの料金を回収したその経営者は、次の売り上げの機会を失いそうです。

また、うっかり、パンを無料にしてもらえた、といって喜んだ顧客は、つぎの来店時にパンの何倍()もの代金をそのお店に落としていきます。

おもしろいですね。

じつは、食事時に、コレは 「だいまるコラム」 に使える話題かな、と思ったときはメモをします。

でも酔っぱらってるので、そのメモが後日何を意味するのか分からないことがたくさんあります。

コース料理のパンのサービスは有料がいいのか、無料がいいのか、というこの話はそんな中のいわゆる 「 つかえるメモ 」 からのお話です。

ただ、渡せばいいというものではない

none_img_column  2004.04.14

この日曜日、近郊の日帰り温泉施設に行きました。雑誌では、いつも上位にランキングされる施設です。いつか行ってみたいと思っていました。

そこのレストランで食事をしましたが食器(器)の汚れが気になり少々興ざめた思いがしました。

私が、こんなことを気にしすぎなのかもしれませんね(^^)。
でも、気になるとほんとに気になるものでして、致し方ない。
食事を提供するということは、単に空腹を満たさせればいいということではないでしょう。

利用する立場で、いつも、思うことは、気持ちよく食事(利用)したいし、お金を払うとか、その施設を使うということは、もしかしたら偶然そこを選んでしまったのかもしれないけど、選んだからには何か満足するものを求めるわけです。
ささいなことでもいいんです。

それはたった一回のやり取りの中の、笑顔かもしれません。

こんな例は先週の日曜日にもありました。1時間半待ってやっと食べられる回転寿司のお店があります。
寿司を食べ終わっていざ会計というときに、係りの女の子が『そちらのお皿よろしいですか』というのはどうでしょう。
よろしいですか?という意味は、テーブルの向こう側の皿を会計の私の方にとってよこせということなんです(皿の数を数えるために)。
これで二回目なので、この店のシステムだということは確信しました。

前にも書いたかもしれませんが、

『お客さまが望むことは我々にとって面倒なこと。我々が効率的にやろうとすることはお客さまにとって苦痛なこと。』

この意識をサービスを提供する側が持たないといけません。

薬だって同じです。どこからもらっても同じ薬なのに自分の店からもらってほしいと願う。ならば、自分たちはその患者さまに何をしてあげられるか自分だったらどうしてほしいか、これを考えなければいけませんよね。

そこで、

ただ、薬を渡せばいいというものではありません。

『白い雪をもってこい!』

none_img_column    2004.03.11

最近聞いてちょっと感動した話です。

札幌市内も、3月の、この時期になると除雪された道路わきの雪がかなり汚れて、見た目にもむさくるしい感じがします。
歩道も当然のごとく薄汚れ、場所によっては泥が凍ったような状態で確かに汚らしいですね。

話というのは、とあるレストランのオーナーシェフがなにかを感じたのかスタッフに一言、『 白い雪をもってこい! 』  と申し渡したということだったのです。

シェフはあまりに汚い、とけかけた泥だらけの雪の山がどうしても気になってしまったのでしょう。
せっかくの食事がそんなことで楽しくないものになっては困るとおもい、その雪の山に降ったばかりのような白い雪をかけることを考たといいます。
でも、その時期にどこに白い雪があるのでしょう?
言われたスタッフも困ってしまいますね。
とにかく絶対なので、何とか苦労して白い雪を探し出してセッティングしたといいます。

この話は、お客さんに楽しんでもらう、もてなすとはここまで気を遣うものなのだという示唆に満ちたものだと私は思い、暫し、「すごいなー」と感動してしまったのです。

だいまる薬局では『白い雪をもってこい!』といったら、自分で『はい!』といって動かなくてはいけませんけど(笑)、将来この話の意味がみんな解ってくれたら、単に患者さんに満足を与えるといっても奥が深いということが伝わりますね。

【  2009年注 : きっと…  】

こだわり

none_img_column(注:2009年 コンテンツ引越しのため、古いものをせっせと移し替えています)

記念すべきコラムの出だしです。

 

ホームページに文章をアップするということはとても緊張しますね。
今回は『 調剤薬局とは 』という自分のこだわりを書いてみたいと思います。

皆さんは調剤薬局って何?という問いかけに対してどんな答えを期待されますか。
私はもちろん薬剤師ですから調剤薬局は処方箋をお預かりして調剤するところであると思っています。

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それと同時に調剤薬局はサービス業であるという確信をもって仕事をしています。

では、サービス業とはいったい何をさしているのでしょうか。
私は自分が商売をしている家で育ったせいか、
よくわからないのですけど、このあたりに
とても 『 こだわり 』 を持っているような気がしています。

<サービスとは>

私は 『 サービスとは、受け手がそれをしてほしいであろうことを先回りして考え、してあげること 』 と定義されると思います。

 

調剤薬局においても、受け手である患者さまが、

  • 今何を思っているか
  • どうしてほしいか

を考えることから始まります。

患者さまは、なにも好き好んで調剤薬局の待合室にいらっしゃるわけではありません。きっと射るような視線でこの人に任せて大丈夫だろうか?と思いながら待っているはずですし、まだできないのか?と思っていることでしょう。

我々スタッフの表情や態度や言葉がけを気にしながら待っているはずです。もし自分が待たされる立場ならどうだろうということをよく自問します。

調剤薬局におけるサービスとは、コンピューター化された設備でもなく、華美な内装でもなく、ただただスピード早く薬を作ることで患者さまを待たせないということでもなく、患者さまに対してほんのあたりまえの心配りや、気配りができて、この薬局のスタッフが作った薬なら気持ちよく飲めるという安心感を与えることに他ならないのではないでしょうか。

 

2003.07.17