話に、間 ( ま ) がない。間をとれない。

none_img_column? 2006.12.28

飛ぶ鳥落とす勢いで店舗を広げTVコマーシャルも、しゃれたものを流している衣料品会社に買物に行った時の話です。

私は足が人並みより短いので、ズボンの丈を(人並み以上に) 詰める必要がありました。先に会計し、そのための説明を聞いたわずかの時間の出来事でしたが、私にはその説明にものすごく窮屈さを感じました。

これでもかと、まくし立てるように、自分たちの都合による文言を並べますが、言いたいことだけを間断なく延々しゃべるので、こちらは、はい・はい、としかいえないのです。

つまり、「 話に、間 ( ま ) 」 がない。

間をとれないということは、相手の気持ちを考えた対応ではないんだなあという事を思い知らされました。

このお店での会計とおなじように、カウンターを挟んで患者さまに説明することが私にもよくあります。
話をするときは、自分に都合のよい言葉を並べるだけではダメで、相手の理解を確認しながら 『 間 』 をもたせないと、気持ちよくないものなんですね。

みなさんは薬をもらうとき、どこかの調剤薬局で、質問攻めにあったことはないですか ?

結果として、しゃべりすぎも 『 間抜け 』 と思われるので要注意ですね。 
本人は気づいてないけど、相手のひとは、心の中で、「 マヌケ… 」とつぶやいているやも知れません。

相手が聞きたいことを選んで話す。これは、まさにサービスのエッセンスですね。

…反省しなければいけない場面が多くあります。

2006.12.28

そんなに暇だったらメシでも入ってください

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函館の有名な観光地近くの総合病院 『 G 病院 』 の門前薬局で働いていたことがありました。

タイトルは、そこの店長さんが私に言った言葉です。この方は、世間では立派な方と言うことで通っておりましたが、私の 「 偏見を持った眼 」 には
精神的に悩みがある方に違いないとうつっておりました。

私が思う店長さん像とは、
経営者の代理者として、会社のことを考え、
そこに働くひとびとの事を考え、日々忙しさの違う時間帯で、
人員の配置や、在庫の事や、こまごまとした調整に腐心するものです。

それは、「 店長になりたい 」といってなかなかなれるものではありません。
雰囲気作りに心を砕き、全ての責任を自分のものと受け止める 『 リーダー 』 であることを要求されるのですから、大変です。

—冒頭の薬局を辞めてから5年以上たつわけですから、私も執念深いのかもしれません (^^)が、もう少し書きます—

リーダーとしては、致命的なのは、上にへつらい、下に思いやりが無いということです。
また、手元を見すぎるあまり、全体の流れを見落とすことです。
これを繰り返すと、
「 そんなに暇だったらメシでも入ってください 」 という発想になるのでしょうね。

でも、それは、全くダメです。薬剤師である前に、店長である前に、そもそも人間としてダメです。
少なくとも私の基準では、ネコ以下だと判断します。

それなりの経験、それなりの年齢、それなりの給料。
でも、それでリーダーシップはとれません。

自分中心で物事を考えていてはリーダーにはなれません。
そして、リーダーには、トレーニングが必要です。
自分に課す負荷が他のヒトとは違うと思います。

 

最近、このホームページをみて 「 自分の経験だと調剤薬局で、いくらくらい給料をもらえるか 」 という問い合わせをいただきました。

薬剤師なら誰でも(ネコ以下でも)ほしい調剤薬局において、センセイ、センセイと、ちやほやされることに抵抗がなければ、相場以上の給料をもらえます。

でも私は、
リーダーシップがとれない薬剤師は所詮いいように使いまわされて利用されるのがオチではなかろうか
といつも思っています。
だから、今いるところで、辞めずにリーダーとなってみてはどうだろうと思いますし、
やってから、業務に意見が反映されないという文句を言ってほしい。
転職や、辞めることの意義をもっと考えてほしいですね。

苦労は買ってでもしろ、
自分にプレッシャーをあたえろ、
責任を負え、
率先してやれ、
これが自分を育てる力になるわけです。

私のサラリーマン時代に、その原動力が、年齢や、経験じゃないということがわかっただけ幸せです。

(2006年) 先週の出来事

none_img_column?? 2006.11.20

最近【 注:2006年 】、だいまる薬局で見聞きした話です。

S50年生まれの障害がある女性の患者さまが定期的に通っています。
この患者さまはひとりでは出歩けないと思われ、毎回どこかの施設のヘルパーと思しき男性が連れてきます。

待合室で薬を待つ間、ヘルパーさんは 「 だいまる文庫 」 の雑誌を読んでいました。患者さまが、そのヘルパーに何か話しかけたところ、 『 何でおまえはそんな中国人みたいな話し方しかできないんだ ! 』 と一喝。

びっくりしました。

いや、ちょっとまって、話し方は本人の意思や希望で何とかならないのではないか ? だから 「 マル障 」 の保険なんだから … 。
その直後薬を渡しましたが、彼は、薬局を出るまで不機嫌そのものの態度でした。日常的な言葉の暴力が垣間見られます。これでいいのだろうか。
もう一例です。
南区から通うOさんは、薬を渡し終えたころ、タクシーを呼んで下さいということになりました。
いつも電話して来てもらうタクシーは 『 黄色 』 ですが、Oさんは、「 黄色じゃないやつ頼みます 」 とおっしゃいました。
よくよく聞くと、前に その 『 黄色 』 で帰った時運転手にバカにされた・からかわれた、というのです。

悪気があったかなかったかそれはわかりませんが、数あるタクシーの運転手さんの中には意図的な人もいるかもしれません。
確かめようが無いですけど、悲しい出来事です。

ヘルパーさんも、タクシー運転手さんも、いずれの例も、どこの誰かは調べられます。
ただ、それは氷山の一角を素手で掘るようなもので無意味なことですね。

自分の仕事に意義を感じ、誇りをもって患者さまに接してほしいものです。弱者をいたぶるのはTV新聞をにぎわす 『 いじめ 』 と何ら変わらないではないですか。
いつまでも強い立場でいられるわけは無いんです。立場が変わったときに初めて気づくのでは情けない。

こんな身近に虐待あり。 許せません !

 

2006.11.20

(記事の引越し中です)

汚い薬局

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調剤室の床の四隅に漂う綿ごみ。
開封した薬の包装箱の上に積みあがったほこり。
水を流しても、排水口から流れなくて水かさの増す台所。
においのする生ごみ三角コーナー。
休憩室には食い散らかしたお菓子。
はき古したストッキングがだらしなく入った透明なゴミ袋。
水垢が赤く、ほんとに赤く、こびりついた洗面台。
休憩室の食卓テーブル下の雑誌をとれば、その上に積もったほこり。
タバコは時間に関係なく吸い放題で部屋の隅のクスリの丸い空き缶へどんどん貯める。

トイレは、ああ、思い出すのもおぞましい…。

これは、 私がしばらくお世話になって? 最終的に 『 クビです 』といわれた、
道南のとある田舎の薬局の風景です。

 

 

給料は、サラリーマン薬剤師としては上限をもらっていたと思います。
車で45分かかってもそんなにつらくはありませんでした。

『 いろいろ気づくことがあるだろうけど、そこそこにやり方があるからまずはそのやり方を踏襲してください 』と、赴任前にその会社の偉い方から言われたのを思い出します。

薬局運営のやり方はいろいろあろうと思いますが、最終的に私が辞めた薬局の数々は、
掃除が行き届いていなかったというのは特別印象深いことです。

そこに勤めるスタッフの品位を決めるのは掃除する姿勢にあるといっても過言ではなかろう
私はそう思います。
その姿勢はだいまる薬局では私が率先して作っていかなければいけないと思います。

会社を良くして社会のニーズに応えんという姿勢は、
その人が几帳面であるからとか、しっかりしてるからとか、
きっちりしてるからとかいう事ではなく、「 掃除をする姿勢 」にこそあると考えますが、
いかがでしょう。

掃除を外注していると働く人は楽をしてしまいます。
楽をすることは、考えないことに通じます。

人間、考えなくなったら進歩はありません。

0066-1

さて、今日もせっせと床のごみを拾う事にします。

掃除をきっちりやる人は、それだけ物事に気づきます。

 

これは間違いの無い事実です。

『 普通にやりました 』  …えっ?

none_img_column? 2006.09.14

処方せんの指示に従って調剤する際に、錠剤を半分に割る作業が必要なことが多々あります。

これ、簡単に見えて、慣れないと、なかなかうまく行きません。だって自分で飲む分を割るんじゃなく、誰か患者さまが、必要とするクスリを作るのですから。

 

あるとき、新卒 A 子さんがこれをやりました。
錠剤は半分すなわち1:1には割れず、「 大幅に欠ける 」「 砕ける 」状態になってしまいました。

これではこの錠剤は使えません。使えないと困るからわたしは指摘しました。
すると、返ってきた答えは「 すみません 」ではなく、『 普通にやりました 』でした。

その瞬間に、私が思ったのは、
『 こいつ、すごいやつだ。あほだ。 』

誰にとって普通なのか、誰にとって常識なのか。まるっきり当事者意識がない。
いわれたことを普通にやったのに、なぜ割れたことを叱られるのか ?? といったところだったのかもしれません。

自分でやったことを、なぜ指摘されるのかもまるっきり自分で考えていない。

おそらく、もう少しのやり取りがあれば、『 じゃあ、どうすればいいんですか 』と言っていたかもしれないけど、それではまるっきり逆ギレである。

さすがにそこまでやられては私もホンギレしてしまうので、その議論が出ないうちに矛先を収めたうえで、翌日 『 薬局じゃなく、ほかの仕事を探すように 』 丁寧に説明し、お引取り頂くことにした。

調剤薬局は向いてないよ。と伝えたつもりだったが、通じたかどうか…。

私の立場から言って、仕事を自由にやらせることは決して悪いことではないと思います。
そこには、当事者が、自分で考えなければいけないというプロセスがあるからです。
自分で考え、やってみて違和感を感じてもらえるなら尚よしですし、答えがあると言う前提で仕事をするのはいけない と思いますから、なおさらです。
それにしても、いろいろな人がいる という言葉で片付けていいものかどうか。ため息が出た事件でした。

2006.09.14