心に残ることば

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(注:2009年 コンテンツ引越しのため、古いものをせっせと移し替えています)

1993年頃のことです。
当時函館の湯川温泉に近いところに住んでいた私は、よく日帰り入浴のためにいろいろな温泉旅館に出かけていました。

ある日立ち寄った旅館の、浴場脱衣所の壁に大きな額に入れられて何か文章が書いてあります。
何気なく読んでいくうちにとても感心してしまいました。
二度三度と読むうちにその文章がほしくなり、次に出かけたときにはその旅館のご主人にコピーが欲しいと伝えていました。

そしてご主人から、印刷した立派な紙をいただくことができました。
読む人によっていろいろな共感も解釈も批判もあることと思います。
読後の感じ方は様々でしょうが、私は自分の夢は持ちつづけるべしというメッセージとしてこれを受け止めました。

人間は何を考え、どう生き、これから何をやろうとしているのかで決まるのだから、最後に笑えばいい 。

そんな気持ちに勇気づけてくれたことば(詩)です。

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『若さとは youth 』 サミュエル・ウルマン Samuel Ullman

若さとは人生のある時期のことではなく、心のあり方のことだ。

若くあるためには、強い意志力と、優れた構想力と、激しい情熱が必要であり、小心さを圧倒する勇気と、易きにつこうとする心を叱咤する冒険への希求がなければならない。

人は歳月を重ねたから老いるのではない。
理想を失うときに老いるのである。
歳月は皮膚に皺を刻むが、情熱の消滅は魂に皺を刻む。

心配、疑い、自己不信、恐れ、絶望—これらのものこそ成長しようとする精神の息の根を止めてしまう元凶である。

70歳になろうと16歳であろうと、人間の心の中には、驚異に対する憧憬や、星や星のようにきらめく事象や思想に対する驚きや、不屈の闘志や、来るべきものに対する子供のような好奇心や、人生の喜びおよび勝負を求める気持ちが存在するはずなのだ。

人はその信念に比例して若くあり、疑いに比例して老いる。
自信や希望に比例して若くあり、恐れや絶望に比例して老いる。
大地や人間や神から、美しさ、喜び、勇気、崇高さ、力などを感じとることができるかぎり、その人は若いのだ。

すべての夢を失い、心の芯が悲観という雪、皮肉という氷に覆われるとき、その人は真に老いるのだ。
そのような人は、神の哀れみを乞うしかない。

2003.08.04

コピーの裏紙

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だいまる薬局は小さな薬局です。
何度も訴えるようですけど吹けば飛ぶような小ささです。

小さな会社、小さな薬局はいろいろなものを削って出費を押さえるものだということを今、実践で学んでいます。
例えば人件費や、福利厚生費などは、一番に経費削減の対象になりえましょう。

でも当薬局は諸保険の整備はしっかりやります。

一緒に働く人を気持ちよくすることは経営するものの務めであると思います。

自己満足ですか? 
ああ、大いに結構です。

これを訴えるのがこのページの目的なんですから(笑)。

私の考えでは『吝嗇(けち)』と『節約』は大きく違うと思っています。
ケチは必要なものまで削ってしまいます。
多くの方はこの二つの言葉の印象の違いから「あたりまえじゃない」と考えられるかもしれませんけど、けちと節約をほぼ同時に論じている場面ってままあるんじゃないでしょうか。

節約は「明日へ向かう糧」ですから、大いにすべし、そう思います。
しかしケチはいけません。

  • だいまる薬局はコピーの裏紙を最大限利用しています。
    しかし白衣のクリーニングは薬局負担です。
  • 健康保険も今は薬剤師国保ですけどこの薬局で働く人は
    誰でも入れるようにしています。

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写真は、薬歴の棚の中。

  • 薬局においては患者さまの情報を管理する大切な部分です。
    どの薬歴を取り出すのか認識しやすく間違いなく収納できるようにちょっとだけ奮発しました。

お金をかけるべきところを間違わないようにいつも考えるようにしています。

2003.07.29

医療では誰が顧客か

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ずっと疑問に思っていたことでした。

 

サービス業ではお客さまがいて、お客さまに思いを馳せてあれこれと動く。

これが普通の話です。
医療だってサービス業ですとは言ったもののお客さまって誰のことなんだろう。
そんな事がわからなかったんです。

試行錯誤の中で、「お大事にどうぞ。ありがとうございます。」
と言ったこともありました。でもなんか変でした。

私としては、数ある調剤薬局の中からウチの薬局を選んでくださってありがとう、というつもりでしたが、患者さまが具合悪くなって病院にかかって、院外処方箋をもらって調剤薬局へ行き、そこで「ありがとう」では、

『私が病気になってつらいのに、この白衣を着た薬剤師はニコニコしながらありがとうといっている。これではまるで自分が具合が悪いことでコイツを喜ばしているみたいだ』

と思われても不思議がないことなんですね。

そんなとき、ある勉強の場で、「患者さまは、つらくて病院にかかるわけですから、やはりお客さまではありえません。顧客はその患者さまを取りまく周辺の人々です。」と発言された看護師さんがいて、私は今までの疑問が氷解するような思いがしたことを覚えています。

患者さまがつらい思いを話してくれたときはつらい思いを共有・共感し、しっかりとその思いに耳を傾けて聴くことを大切なことと教えてくれた友人医師がいます。
まさに病医院と調剤薬局は同じ患者さまに接するわけで、患者さまが主役たりうる環境を作るのは薬局も同じなのです。

ついこの前まで、顧客として患者さまを見てきた自分を反省しつつ今、この文章を書いています。

2003.07.24

こだわり

none_img_column(注:2009年 コンテンツ引越しのため、古いものをせっせと移し替えています)

記念すべきコラムの出だしです。

 

ホームページに文章をアップするということはとても緊張しますね。
今回は『 調剤薬局とは 』という自分のこだわりを書いてみたいと思います。

皆さんは調剤薬局って何?という問いかけに対してどんな答えを期待されますか。
私はもちろん薬剤師ですから調剤薬局は処方箋をお預かりして調剤するところであると思っています。

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それと同時に調剤薬局はサービス業であるという確信をもって仕事をしています。

では、サービス業とはいったい何をさしているのでしょうか。
私は自分が商売をしている家で育ったせいか、
よくわからないのですけど、このあたりに
とても 『 こだわり 』 を持っているような気がしています。

<サービスとは>

私は 『 サービスとは、受け手がそれをしてほしいであろうことを先回りして考え、してあげること 』 と定義されると思います。

 

調剤薬局においても、受け手である患者さまが、

  • 今何を思っているか
  • どうしてほしいか

を考えることから始まります。

患者さまは、なにも好き好んで調剤薬局の待合室にいらっしゃるわけではありません。きっと射るような視線でこの人に任せて大丈夫だろうか?と思いながら待っているはずですし、まだできないのか?と思っていることでしょう。

我々スタッフの表情や態度や言葉がけを気にしながら待っているはずです。もし自分が待たされる立場ならどうだろうということをよく自問します。

調剤薬局におけるサービスとは、コンピューター化された設備でもなく、華美な内装でもなく、ただただスピード早く薬を作ることで患者さまを待たせないということでもなく、患者さまに対してほんのあたりまえの心配りや、気配りができて、この薬局のスタッフが作った薬なら気持ちよく飲めるという安心感を与えることに他ならないのではないでしょうか。

 

2003.07.17