( 薬局 ) 開業のために必要なもの 2009.1.5改編

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Q: 薬局を開業するには何が必要なのでしょう ?

A: 単刀直入に、資金を用意する前に、 なんのために開業するのかという精神的な動機と、それを維持するための精神的努力が特に必要  だと思います。

その理由を説明しましょう。

「 資金集め 」などと称して、お金を手当てしようとした などという話しは、使う理由も無いままに貯金を始めた、という事に等しいわけで、目的も無しに何をしてもその先にゴールは見当たらないわけです。

開業するに当たり、税理士に相談した弁護士に相談した成功者に相談した、そして資金計画を作ってみた、などといっても、はっきり言ってなんの足しにもなりません()。

そんなことは、走り出してからやることであり、走る前にそれらでよろいを着ることは「 足かせ 」であるし、じゃまな重装備だと断言できます。

挙句の果てに、『 お金に余裕が無いので資金集めに苦労している 』 などというまことしやかな発言を聞くと、その人は、このまま一生お金に苦労するんだろうな、と思い、かわいそうにさえなります。

お金を稼ぐ、ということは、どれだけ苦労することか。

つかうことの何倍もの苦労があるからこそ、お金は大事なものなのです。

開業には当然お金が必要です。
しかし、お金が必要であるということは、お金そのものもさることながら、その人が、お金を身の回りに集められる精神を身につけることが必要だということに他なりません。
成功しようとする人は、お金に好かれているという実感を先に持たなければいけません。

使うことばかり先に考えていると、身の回りからお金がなくなります。
実はお金がその人から離れているのです。

また、給料を貯めて独立なんてことは考えないことです。
貯めてから開業などと思っているとチャンスを逃します。
貯めるより大事なことは、他人資本を使わせてもらえるような自分になることです。

使ってばかりいれば給料だけでは足りなくなり、生活も立ち行かなくなります。
お金が足りない、と精神的に追い詰められ、お金をどうしたら調達できるかなどという事を考えるでしょう。

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そんなあなたには、サラ金がビジネスとしてあります。
どうか、お願いですから!、知り合いから金を借りようなどと思わないで下さい。

もし友人知人から借りたりすれば、どんどん、お金に嫌われるだけでなく、
その大切な友人知人からも嫌われます。
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つまり、このことから、
お金が手当てできないから開業が困難であるというのがうそであるということがわかります。
うそが言いすぎなら、認識のズレとでも言い換えることができましょう。

他人に甘える精神構造こそが独立開業にもっとも困難を与えるのです。
他人に相談して自分自身が安心するという 「 迷惑な行為 」 が開業できない一番の原因です。

ひと、もの、かね

これらは、開業しようとする人について回ります。
高い志(こころざし)をもっていれば自然についてくるものです。
高い志などといっても、たいしたことではありません。
何のためにやるのか、それをはっきりさせておけばいいのですから自ずと必要なものはわかるのではありませんか。

2008.01.16

リースとレンタルと割賦のちがいについて 2009.1.4改編

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Q:資金調達の方法として、リースがありますが、レンタルとの違いを含めてどんなものか教えてください。

A:個人で、薬局をやるときはお金が無いものです。

お金が無い。このことが事業を起こそうという原動力になることもありますから、お金が無いことが悪だとばかりは言い切れません。

そもそも、今までサラリーマンだった人間が1000万単位のお金を持っていることがおかしい。

ぜったいおかしい(^^)です。

確かに、持っている人もいました。でも、きっと、家の中に家具は揃ってないし、車も15年は乗っているに違いありません。つまり生活が慎ましやかで、辛抱なのです。

そんなひとは無借金で薬局ができますからこの記事は読まなくていいはずです(笑)。

さて、本題です。

お金が無い人は他人の資本をつかいます。
銀行融資、国民金融公庫、ですね。これは金融(お金)です。
リースは、「物を融資してもらう」ことで、我々は占有使用料を払うと考えたらわかりやすいと思います。

薬局では、例えば、レセコンとか、患者さま用待合室の備品、調剤用の機器類、薬品棚などなど、たとえば総額1000万のものを5年間で分割支払する、という考え方です。
ただ、割賦の場合は払い終わればモノは自分のものですが、リースはあくまで所有者はリース会社です。

また、レンタルは必要なときに必要な期間 ( 短期 ) だけ利用するのが主な利用法です。
リースは期間を5年とか6年とか長期に設定するのが普通で、その間、解約はできないことに注意が必要です。

メリットとしては

1) 機器の経年による陳腐化防止
2) ちょっと難しいけど「損金」扱いされ税法上有利
3) 金融と別立てで資金調達したのと同じ効果

などがあると思います。

実際、いろいろな事務的なことを自分で考えなければいけないのかというと、けっしてそうではなく、機械屋さんや、レセコン屋さんに相談すると万事うまく運んでくれることが多いです。

大事なことは、お金が無いことイコール事業ができない、ではなくて、できる方法を考える気概をもつことで解決していく姿勢です。

その姿勢があれば独立はできます。

薬局の開業について 2008. 12. 30改編

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Q:?? 開業計画書はどうやって書いていけばいいのでしょうか。
A: いま、私の手元に、一番初めに融資を申し込んだ「 国民金融公庫 」へ
提出するために書いた開業計画書の写しがあります。

 

  1. 事業内容など
  2. 予定の販売先、予定の仕入先
  3. 必要な資金と調達の方法
  4. 開業後の見通し(月平均)

 

開業計画書は上記のような内容を網羅していくものです。
では、私の開業準備の場合、想像上の調剤薬局開業と、
実際はどう違ったのか、ちょっと検証してみましょう。

 

必要な資金は調剤機器に350万。
+)仕入れや経費など支払のための運転資金に400万、
_________________________________________
合計750万。

調達の方法は、自己資金50万( いかにお金が無かったか おわかりですか )と、
+)国民金融公庫からの借入が700万円で、
_________________________________________
合計750万円。

一見、収支は合ってます(笑) 。

 

【これだけあっても恐怖を味わった】

でも、実際に借りたのは2つの金融機関から合算で1500万円。
自己資金は、カードローンで借りた(笑) 50万円 。
親戚などからの借金が400万円。
_________________________________________
合計1950万円でのスタートです。

【注】
開業1ヶ月に銀行から1000万融資実行。
開業から8ヵ月に国民生活金融公庫から500万融資実行。
開業前(平成15年4月中)に公庫から750万円借りようとした案は、みごとに玉砕しました。

 

【手にできる金額は額面どおりではない】

しかも、借入金は、保証金を引かれて振込まれるということを皆さんは考えたことがありますか?
サラ金などに縁が無かったので、私はそのシステムは、融資を受ける過程で知りました。

1000万円 借りたつもりでも、実際の振込みは 9443731円 になります。

 

【返済は突然はじまる】

また、5/28に借り入れると、返済は6/2からです!

実際には、5/1開業ですから、借入が確定するまでの間は全部持ち出しです。
これは不安です。
きっとお金を借りて何かをやったひとにしか分からないかもしれません。

返済の原資は、通常、利益の中から出します。
でも利益が出てないとか、事業が始まったばかり だとしてもこれは待ったなしです。

  • 店舗を借りるのに、100万円
  • 仲介者へ権利金だといって200万
  • リース代3件の返済開始問屋の支払開始
  • スタッフ給料の振込み
  • 健康保険の引き落とし
  • 事務用品消耗品の支払

などなど出て行くものの多いこと多いこと !

5/1から営業をはじめ、初めて、社保診療報酬支払い基金からの振込みがあったのが7/23。
7/28に国保連合会からの振込み。

うれしいなどと思っている暇は全くありませんでた。

初めて手にした収入はあわせても400万円くらいでしたから
圧倒的に出て行くもののほうが多いわけです。

念のために申し添えますが400万円は利益ではありません。
単なる売上ですから、粗利率30%として考えたら120万円くらいです。
出て行く金額がいかに多いかおわかりでしょう。

収入があるまでに必要なお金、資金、これが運転資金です。

 

【反省の弁】

上記の開業計画書で、器具器械に350万円、運転資金400万円というのは、
全くの方便、夢物語の金額でした。

資金調達についても750万円で薬局経営を開始できると思ったのは、事業に対する、認識不足でした。

どんなに緻密な資金計画をたてても、思わぬお金がかかるのが常ですから、石橋をたたくにしても限度があります。

参考までに、銀行口座の月末残高を書きますね。
もっとも残高が大きかったのは、借り入れた直後の1100万円

6月末 445万円
7月末 516万円
8月末 292万円
9月末 179万円
10月末 191万円
11月末 139万円

残高としては、このあたりで、もうダメ、限界かな?
と思いました。

ただ、8-9月くらいから、扱い処方せん枚数も少しずつ増えてきました。

12月末 458万円
01月末 488万円

入っては出て行く、入っては出て行く、
こういうのを 自転車操業 というのでしょうか。

少しはドキドキ感がお伝えできましたか。
開業計画書は、あまり緻密に書いてもダメだし、
見通しが甘すぎて、
私のようにスリルとサスペンスを味わうのもどうかなと思います。

開業計画を書くときは、金融機関のために書いてはダメです。
あくまで自分の事業のために、むしろ厳しすぎるか ! と思うような気持ちでかかれることをお勧めします。

『 資金ショート 』は、突然来るように思われるかもしれませんが、私の例を挙げるまでもなく、既に、開業を志したときからの積み重ねでやってくるのですから。

2007.05.17

会社をつくる(法人成り)2008. 12. 29改編

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Q: 薬局を目的とする会社を作るための心構え

A: 会社設立に関する法律が大きく変わりますね。   2008.12.29改編

だいまる薬局は平成16年の4月28日に、それまでの個人事業から、有限会社にしました。 事業を開始して実績を作ってから改組して会社にすることを法人成りといいます。

薬局をやろうが、なにを事業にしようがかまいませんが、事業をすることが目的であって、会社を作ることが目的ではありません。

最低でも、収入の目途があるとき会社を作るべきです。

しかし、もし事業の目的が薬局なら、会社を作ってから薬局にしたほうがよいことがひとつだけあります。
途中で会社組織にすると、「保健所・社会保険事務局(現、厚生局)への届け」がまったく二度手間になります。
申請料も、申請書類にはんこを押す数と手間も、実地の検査立会いも、印鑑を作る費用も全て、まったく新規扱いになってしまいます。
つまり
個人設立した薬局が法人成りした場合、薬局開設者が個人から、法人になったということで全て一式もう一度 ! ということになってしまうのです。

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これは大変ですよ。
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ですから、将来 薬局を法人経営でやりたいというときは、最初から法人組織(会社)を作ってから取り掛かったほうがいいと思います。
会社(法人)の作り方は、いろいろな書籍やホームページに書いてありますが、基本的に、もちは餅屋の精神で行った方がよいでしょう。
税務会計事務所、司法書士事務所などが手続き一式を代行してくれます。
また、思いもよらないお金がかかることがありますので充分覚悟して会社を作るべきです。

会社を作るために、資金が減ったなんていうのは、本末転倒ですから。

冒頭に述べたように、資本金の規制が撤廃されました。
しかし、安易な気持ちで起業してはいけないことだけは、古今東西まったく変わっていません。
創設のハードルが低くなっても、維持する知力体力は変わってないということです。

お金を借りる (資金調達) 2008. 12. 28改編

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Q:開設にあたりどんな方法で資金を調達しましたか

A:融資制度に着目しました。

まず、北海道の融資制度   こちら  のなかの事業活性化資金に『創業貸付』というのがあります。

これから新たに事業を始めようとする方や、事業を開始してから間もない企業の方が利用できる事業資金で、制約としては、銀行と保証協会と商工会議所の承諾が要ります。

私の場合は北海道庁の金融課に相談を申込み、今後の流れの説明を受けました。
商工会議所に申し込むと銀行を斡旋してくれますのでそこから話が始まります。
銀行が、いいといってくれないと、お金は借りられませんし、銀行は、保証協会の保証無しでは貸してくれません。

担当の方に、事情を良く説明して自分の置かれている立場を良く説明することが肝要です。

H 銀行の担当の方は実に良くしてくださいました。
いま振り返っても、よくよく好意的な対応をしていただいたものだと思います。

私の場合、すでにキャッシングで資金を調達し、事業を始めてしまっていました。ですから、この融資が受けられないとなると、撤退を余儀なくされ、さらに莫大な借金だけが残るわけです。これぞまさに、綱渡りです。

ほんとに砕けてはいけませんが、あたって砕けるつもりで事に当たることは、覚悟を決めるという意味からはお勧めです。

「行動を起こすこと」は「考えていること」とは違います。