責任は明確にしたい

none_img_column???? 2005.08.25

あるとき、薬局内で問題が起こりました。

重大な間違いでしたが、この時点から先にもし万が一進んでいったら、重大以上の深刻な問題に進みそうな間違いでした。
担当者には厳重注意と相成るはずでしたが、担当者が特定でません。
誰がやったのかどうしても自己申告以外に確認できない、わからない。。。

患者さまへの謝罪と病院への報告が済むと、社内ではこちらのほうが問題になりました。

薬局内では、これをきっかけに、調剤録や、作業伝票に全ての過程でシャチハタなどの印鑑を押印するという約束事が出来上がりました。
このことで、「誰がやった仕事なのかがわかる」仕組みをつくることができ、仕事の過程においてその段階を仕上げたのは自分だという責任を持たなければいけないという、意識の改革につながったと思います。

朝礼でも話題にしましたけど、最後に責任を取るのは店長、その上に社長。
でも一つ一つの過程をしっかり責任を取ることで間違いは飛躍的に減るものです。
精神論では間違いは減りません。

いかにしたら、間違わずに済むのか ? という問いかけを自分自身にし、その可能性を排除する仕組みを作ることがとても大事なことだと思います。

そして、もうひとつ、だいじなこと。
それは、誤りに気づいたときに、 『 すみません 』 と心から素直に言える心構えだと思います。
チームワークのためにはぜひ用意したい言葉ですね。

調剤過誤を防ぐ基本

none_img_daimaru??? ? 2004.07.13

私は自分自身で調剤をするにあたり、いろいろな間違いをしてきましたし、いろいろな間違いもまた、みてきました。
薬剤師をやっていて間違いをしなかったと豪語する人はいても(悲しい勘違い)、間違えそうにならなかったという人はいないだろうと思います。

  • うっかり間違えること
  • 調剤過誤
  • ヒヤリハット

どれも、違いは紙一重ですし、それほど私たち薬局で働く人にとってはある意味身近なことです。

どうしたらその間違いをなくすことが、また、ゼロに限りなく近づけられるかということにみんな腐心するところだと思います。

科学的な根拠はさておき、だいまる薬局では整理整頓がまず「いの一番」の基本、だと思っています。

倉庫や書庫、薬歴の棚や、薬品庫などが汚れ、整理されていなければ、その薬局は限りなく間違いに近いところにあるといっても過言ではなかろうと思います。

綿ごみ、抜け毛がたくさんの床…。いままでたくさんのそのような、あるいはそれに近い薬局を見てきました

誰かがやる?

そうなると、もはや誰も片付けません。きれいなものは維持しようとするけど、坂道を転がった状態は、なかなか元に戻せないのです。

今日の朝礼では、 「 棚の薬剤の向きをそろえようという(一見どうでもいいようなことを)意識しよう 」 という話をしました。でも、それが基本だと思います。薬剤名の取り違え、思い込みを防ぐ大いなる手段にもなると思います。

『整理・整頓』
几帳面であれ、とはいいませんが、意識をそこに向けてみたら調剤過誤のほんのいくらかでも、防げると思っています。

薬剤師賠償責任保険

none_img_news-info  2004.04.14

だいまる薬局では、薬局内で何か事故が起きた時の対策のひとつとして薬剤師賠償責任保険に加入しました。

契約の内容は以下の内容を範囲とします。
《従業員による医薬品・商品等に係わる事故》
・従業員が取り扱った商品等に係わる事故
・従業員が患者・消費者に対して行った商品の説明により生じた事故
1事故につき、1.5億円 1年間につき、4.5億円

《従業員の業務遂行中の事故》
・従業員が患者・消費者に身体障害を負わせたり死亡させた事故
対人1名につき、3,000万円 対人1事故につき、1億円

・従業員が患者・消費者の財物を損傷した事故
対物1事故につき、750万円

・従業員が患者・消費者から預かった財物を損傷した事故
預かった財物に関する事故
50万円
《施設・設備に起因する事故》
・当該店舗の建物・設備に起因して生じた事故
対人1名につき、3,000万円
対人1事故につき、1億円
対物1事故につき、750万円
あたりまえのことですが、これはあくまで保険であり、使うことが無いように日々の業務を行っていく事は言うまでもありません。

ヒヤリハット

none_img_column? 2004.02.10

調剤過誤にいたらないまでも、ほんの直前でいろいろな間違いを見つけることがあります。昨日もそんなことがありました。
錠剤カセットにちがう錠剤を補充したのです。入れた直後に違和感に気づき、もちろん事なきを得ました。

なぜこういうことが起こるのか、起こさないようにするにはどうするか、はたして自分には無関係なことなのか、これらについて朝礼で話しました。
いつ何どき、この悲劇の主人公になってしまうか、その可能性は高く、とても他人事(ひとごと)では済まされません。

『 自分なりの基準を必ず設けてください 』 という話をしました。

動作をするとき、何のために自分がこの動作をしているのかを考えられないような機械的な動きは、間違いを誘発します。
それは、『作業』です。私たちは、『仕事』をしなくてはいけません。

脊髄反射で身体が勝手に動くのではなく、せっかく人間なんだから、脳みそを使って、身体を動かさなくてはいけません。それが仕事です。
少なくとも、頭で考えて体を動かすとき、間違いはかなり減らすことができます。

短時間に、たくさんの患者さまが集中したときにうわずる気持ちを理性でぐっと抑え、頭で考えるトレーニングをしましょうと職員には訴えかけましたが、何度でも、これから同じことを言います。【2009注: いまでも、いつでも言ってます。】

  • あせっても
  • いらいらしても
  • ドンドンと足音大きくあるいても
  • はたまた怒鳴っても

調剤は1分も早くならないばかりか、こんな間違いを起こす可能性は飛躍的に大きくなることを私たちは理解していなければいけません。

調剤過誤NEWS速報をうけて

none_img_news-info? 2004.01.08

似た名称で投薬誤る
50代男性が一時意識不明-山形
————2004 年 1 月 7 日

山形県立河北病院(同県河北町、千葉昌和院長)で昨年11月、薬剤師が血圧降下剤と似た名称の血糖降下剤を処方し、同県の50代男性が一時意識不明になる投薬ミスがあったことが7日、分かった。男性は同病院に運ばれ意識を回復したが、経過観察のため現在も入院中。
同病院によると、男性が11月下旬に人工透析のため来院した際、薬剤師が血圧降下剤「アルマール」と誤って血糖降下剤「アマリール」を処方した。男性は自宅で服用、血糖値が通常の4分の1程度に低下し意識不明になったという。

錠剤の取り違えは薬剤師が一番起こしやすいミスのひとつです。最終的に患者さまに薬が渡る前にこれを発見し過誤を未然に防ぐ工夫が求められます。

今日は、この話題を朝礼で話しました。

  1. 誰もが当事者になる可能性があること
  2. 最終責任は薬剤師にあること
  3. 全員がミスを防ぐという意識で仕事をすること
  4. こなすだけの『作業』と、目的を持った『仕事』の区別を明確に意識してもらうこと
  5. 復唱、当事者以外の目を通すことなどをしているが、漫然と作業しては意味がなく、患者さまに薬が渡ることを意識してほしいこと
  6. 薬剤師と事務員の仕事の区別は『監査』『投薬』『薬歴記載』この点においてのみであること
  7. 患者さまに薬を渡すと言うことは、「こんなことがあったからこうしましょう」、というような試行錯誤ではない。高い意識を持ってしなければいけない仕事であること

こんなことを話しました。
あってはいけないことなので、
薬局で働く全員の共通した意識が求められます。一度や二度説明してわかることではありませんし、それでは防ぐことはできません。くどくど、毎日、同じことを繰り返してと思われるかもしれませんがこれからも朝礼で同じことを話し続けなければいけません。